ヴァーン・カトー
ゔぁーんかとー
演:渡洋史
時空警察の中でも数少ない、男性の時空刑事(ヴェッカー)の1人。コードネームは「時空刑事ヴァーン」。英字表記は「VARN KATOR」。
時空警察の中でもヒーローと呼べる存在であり、超能力を悪用するサイコ集団や、真水を信仰して時空を歪める謎の帝国など、多くの犯罪を独力で解決してきた実績を持つ。
父は初代ヴェッカーの1人であったが、その父と母を共にテロ事故で喪っている。
その反動から、妹のユリー・カトーを溺愛している。
時空警察の技師であるカイ・ミツヤとは家族同然の仲であり、彼のことを弟のように想っている。上司であるレイ・ナツキは、旧友でもある。
後年には「伝説の時空刑事」とまで呼ばれる人物である。
2159年の世界での時空警察での活動中に、レイ・ナツキから、時空の歪みの根源が、1500年代にあると知らされ、その調査を命じられる。
しかし手柄を急ぐ妹ユリー・カトーが、独断で1500年代へ向かってしまう。
500年以上の時間移動を可能とするクロノライナー(タイムマシン)はユリーの乗った機体のみのため、ユリーの救出は不可能であり、結果としてヴァーンはユリーを永久に喪ってしまう。
ヴァーンはこの喪失感から、責任をとる意味もあって、時空刑事を辞職する。
その後は時空犯罪組織Λ(ラムダ)に肩入れし、元時空刑事としての立場から、彼らに有用な情報を横流しする。
一見して時空警察を裏切ったかに見えたが、しかしその真意は、Λの実態と、その首領である時空覇王ギルガの正体を知るためにある。
時空覇王ギルガの正体が、親友のカイ・ミツヤだと突き止め、ギルガと交戦状態に陥る。
かつての親友を前にしたためか、時空刑事としての武器など装備品は一切使わず、肉弾戦で激闘を繰り広げた末に、ギルガの凶刃の前に倒れる。
『時空警察ヴェッカーシグナ』では「加藤洋輔」(かとう ようすけ)の名で登場する。
表向きは、主人公・春日さりあたちヴェッカーシグナ(時空刑事候補生)一同の集う喫茶店「ウッドストック」のマスターを務めている。
さりあの父親がわりともいえる人物であり、失敗続きのさりあを、いつも温かく見守っている。
性格は、やや天然ボケ気味。いつも店に閑古鳥が鳴いていることなど一向に気にしない様子で、カウンターの奥で、呑気にカップを磨いている。
さりあたちのヴェッカーシグナとしての素性も把握しており、第1話では一同のシグナとしての会議の場にも同席している。
ただし自らは、さりあたちのように行動を起こすことはない。
シグナの教官である日向サキは、その素性を知っており、第1話で「伝説とまで言われた、あの……」と呼んでいる。
詳細は不明ながら、かつては「時の亡者」と呼ばれる存在にまで落ちぶれようとしていたが、折尾光四郎に救われたという。
その後も妹ユリーを喪った喪失感から、一向に時空刑事として行動を起こすことはなかった。
しかし第10話で、ユリーに生き写しの女性がウッドストックに現れ、彼女を通して現れた幻影のユリーから叱咤されたことで、ついに時空刑事として再起、時空刑事エクスヴァーンとして、時空犯罪組織テンスマドラーの首領である織田優生を倒す。
一連の事件が終わった後は、時空刑事として認定されたシグナの1人・秋葉えみりと共に、21世紀の任務についている。
時空刑事エクスヴァーン
加藤洋舗(ヴァーン・カトー)が変身した姿。
深紅のクロノスーツを身にまとっており、「赤き稲妻」の異名を持つ。
変身時のキーワードは第1作『時空警察ヴェッカー』と同じく「アルティメイション!」である。
時空刑事にとって、クロノスーツやエクスターナルフォームといった強化服は、本来はイレギュラーな存在であり、使用には時空警察本部の承認が必要だが、ヴァーンはそれを必要とせず、独自の判断でクロノスーツを使用できる、唯一の存在である。
武器は両肩から出現する双身剣「ダブルシャイニングロッド」、必殺技はこのダブルシャイニングロッドで敵を叩き斬る「エクスヴァーンブレイク」である。
装備品として、専用の飛行メカ「グランミラー」を持つ。
このグランミラーで、ヴェッカーシグナや時空特捜キリーと協力して放つ必殺砲「グランミラーキャノン」は、仇敵である織田優生の怪人態・鬼蜘蛛へのとどめの一撃となった。
また、このグランミラーのパーツの一部をクロノスーツに装着することで、スーツの能力を最大限に高める「エクスヴァーン・ヴァーニングフォーム」となる(バーニングに非ず)。
玩具
エクスヴァーの玩具は、ミクロマンシリーズの「マシンフォース」の1体、「ゼクウ」の仕様変更品である。
グランミラーやヴァーニングフォームも、ゼクウのギミックから受け継がれたものである。
ミクロマンの開発元であるタカラトミーのホビー開発チームでは、元タカラ社員の安彦一民がミクロマンの復刻を指揮しており、エクスヴァーンは安彦一民の要望で生まれたキャラクターである。
安彦一民が、演者の渡洋史の大ファンであるために、渡が演じた『宇宙刑事シャリバン』と『時空戦士スピルバン』を強くイメージした、赤のデザインとなっている。
余談
「洋舗」の名は、演者がかつて演じた『時空戦士スピルバン』のスピルバンこと城洋介に由来すると思われる。
スピンオフ映画『時空警察ハイペリオン』は、『シグナ』の後の物語のため、『シグナ』のレギュラー陣が引き続き登場しているが、ヴァーン(加藤洋輔)は「別の事件にあたっている」との設定で、登場していない。
監督の畑澤和也によれば、『ハイペリオン』はヴェッカーシリーズとしては外伝にあたり、ヴァーン(=渡洋史)はヴェッカーの代名詞でもあるために、あえて外伝から外したという。
存在感が大きすぎるので、端役としては出演させられない、とも説明している。
……が、その後の映画『時空警察ヴェッカー デッドリーナイトシェード』では、渡はヴァーンとは別人の端役(刑事・島田守役)として出演していたりする。
さらにその後、『シグナ』の14年後を描く映画『時空警察SIG-Wecker』の製作が発表され、ヴァーン役として渡の出演が決定している。
しかし2021年6月に「今冬公開予定」とされていたものの、公開の気配はない。
2023年12月の渡に関するネットニュースでは、未だ「編集待機中」状態とされている。