三点着地
さんてんちゃくち
三点着地とは、両足、及び片手の三点を地面に着けて着地する手法。
衝撃を一切殺さず着地するため一般人が真似をすれば民家の二階からでも骨折の恐れがあるのだが、これをヒーローたちは、常人なら墜死確実の高度から敢行する。
ヒーローの凄まじい剛性をワンシーンでとても格好良く描写できる、非常に優れた演出技法。「金属質な着地音」「激しい地響き」「ふみ砕かれる地面」なんかも添えるとなおよし。
元祖はGHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊の草薙素子。
ハリウッド導入のきっかけは1999年公開のSF映画マトリックスのエージェント・ブラウン(画像右側の敵キャラクター。作中で名前が出ることはない)らしいと言われている。
実際に映画本編序盤のシーンにてトリニティーを追うエージェント・ブラウンが三点着地風のポーズを取っているのだが、これがハリウッド界初の三点着地となるのかは未だ定かではない。
ちなみに「マトリックス」は先述の攻殻機動隊をリスペクトした設定や演出が多いことで有名である。「片手に銃を持って」「非人間的存在が」着地を行う共通点がある。
以降アメリカで爆発的に普及し、「Three Point Landing」という名称が定着、このシーンばかりを集めたまとめ動画も上がっている。
日本では発祥国のわりに知名度はいまいちだったが、実写版デッドプールをきっかけにスーパーヒーロー着地(海外圏では「Super Hero Landing」)の名前で定着しつつある。pixivでもこちらの名前でのタグ登録が多い。
理論
自身の体の剛性を活かして両足で着地、利き手は高く上げて握っている武器を保護し、もう一方の手は地面に着いてバランスをとる。というのが合理的な三点着地。
草薙素子の元祖三点着地(とそれに影響されて作られたエージェント・ブラウンの三点着地)はこの合理性に最大限従ったもの。足は大きく折り曲げ、右手は肘を曲げてまっすぐ上げたもので、後発に比べると少しスタイリッシュさが欠けているのだが、そこがいい。
彼らは物理的な意味で人間ではないため、決してマネしてはいけない。
後発では決めポーズとして、合理性はさておいて見た目重視で採用されることが多い。武器を持つ手が横にピンと伸びきっていたり、片足が横に突き出されていたり、完全に素手だったり。
ぶっちゃけ完全に無駄だろそれ、と思われるシーンもあるのだが、それはそれで格好いい。
- ヒーローのようにカッコよく!三点着地のイラスト特集 - pixivision(2023年1月23日)