概要
「主人がオオアリクイに殺されて1年が過ぎました」とは、いわゆるスパムメールの一種である。2006~2007年ごろにかけて送信された。
29歳の「久光さやか」を自称する人物からのメール、という設定のスパムメール。このタグはサブジェクト(メールタイトル)で使用されている。
メールの内容の概略としては以下のようなものである。
送信者「久光さやか」は29歳の未亡人である。亡き夫はシンガポールへ頻繁に、妻にも内容を告げぬ「危険な出稼ぎ」のために出張しており、その末に1年前に帰らぬ人となった。夫の急逝からは立ち直りつつあるが、それと同時にまんじりともせぬ夜を過ごすことも増え始めており、一夜の伴が欲しくなっている──
内容としては典型的な、相手が下心を持って応答を返してくることを期待したスパムメールに過ぎない。にも拘らずこのスパムメールが有名になったのは、アリアハン辺りからでも送られてきたのではないかと錯覚しそうな、その奇抜なタイトルにある。
送信者の意図は不明であるが、このようなタイトルになったもっともらしい理由としては、自動スパムブロックソフトによるフィルタリングを回避するために回避可能な文言を探していった結果である、またはその奇抜さから少しでも注目を集めるためである、と言ったものが想定されている。
なお、言うまでもないが、実際に届いたとしてもコンタクトを返すべきではない。
オオアリクイの主食はアリやシロアリであり、人間を襲うことはなさそうに思えるが、危険を感じたときは爪で人間を攻撃することがある。実際2014年にブラジルで猟師がオオアリクイに殺される事件が発生しており、オオアリクイによって人間が殺されること自体はありうる話ではある。
ただしオオアリクイは南米に生息する動物であり、なぜシンガポールに行った設定の「夫」がオオアリクイに殺されるのかは謎である。闇ペット商人だったのだろうか?
余談
『おおありくい』というモンスターがドラゴンクエストⅢなどに登場するため、ネタにされたことも。
また、2016年には野村宏伸や山田菜々といった豪華キャストによって舞台化がされた。
内容は、この迷惑メールから発展した遺産相続のバトルロワイヤルとなっている。
澁澤龍彦の遺作となった1987年に出版された『高丘親王航海記』において、天竺を目指す高丘親王一行が、東南アジアで「大蟻食い」と名乗る獣に遭遇する。
同行した僧・円覚にメタ的にツッコまれるものの、獣自身からここにいる理由が語られている。
なおこのスパムを作成した者がこれを知っていたのかどうかは不明である。
関連タグ
外部リンク
危険なオオアリクイの防衛行動!人間も襲われ死亡 - やりすぎ都市伝説まとめ