概要
cv:大空直美
エナジードレインの異能を持つ異能者の女性。本人曰く明治維新以前の生まれのロリババア。一人称は「儂」ののじゃロリ。本名は不詳で、『二人静』は常用している着物の色からの通称だが、本人も二人静を自称している。
当初は主人公である佐々木の所属する超常現象対策局と対立する異能者の組織の一人として登場するが、後に転職して超常現象対策局所属となり、佐々木とは公私に渡る関係となる。
独自のツテや個人財産も多く、多芸多趣味でなんでもござれであり、佐々木からも頼りにされることになる。
長い年月を経て得た財力や技術、人脈などを豊富に持ち、佐々木の後輩かつ同僚・相棒になった事で局での仕事でも、異世界での交易に関係する物や人との日本での取扱いでも器用かつ周到に動くため、佐々木はすっかり彼女に依存気味になってしまっている。
メインキャラ達の中で主人公の相棒(女房役)又は他ヒロインたちの保護者(母親)に近いポジションにある。
著者は当初の構想通りのポジションに収まっているとしながらも、便利キャラであることから登場シーンも増え、想定外の活躍をしているという。
容姿・性格
異能力によって見た目は年若い少女だが、実年齢は三桁と目される。
イラストでは足元近くまで届くほど長い黒髪で、眼は黄色。また赤い花の髪飾りも付けている。
佐々木の所感によると見た目は小学校中学年くらいで出会った頃のお隣さんと同じくらいの背丈。胸元は寂しいが、腰はくびれていて、太ももや尻の肉付きは良いとのこと。
通称の由来通りの二人静色を基本とした和服をほぼ常に着ているが、他の服も持ち合わせており、葬式に出席する際には黒いワンピース、正体を隠す際はセーラー服なども着用している。
性格は基本的にフランク。冗談や軽口、下ネタもよく飛ばす。ほか、本人曰く身体が小さいなりの男性の悦ばせ方も心得ている(本人談「キツキツ」)らしく、佐々木を誘惑した事もある等、メスガキムーブもできる。
意外にも常識的な面が強く、周りの非常識なところや迂闊なところ、飄々としているところにツッコむことやフォローすることもしばしばで、世話焼きで苦労人属性なところがある。
一方でプライドも高く、圧倒的格上に対してや優位を取られても対しても気に入らなければ譲らず引かないことも。
ピーちゃんに刻まれた腐肉の呪い(呪った本人からは「非人道的」「人権というものを徹底的に否定する」と称され、実際に異世界では敵国にこの呪いを掛けられた王子が内乱を演出し醜い肉塊に一生成り果てる覚悟がなければ国のためのメッセージを伝えることすらままならなかったモノ)に関してはたびたび不満を漏らし解除して欲しいという意思も出しているが、佐々木からもピーちゃんからもぞんざいに扱われ解除も緩和もそのきっかけさえ一向に見られないため、独自に対策するそぶりも見せている。
子供には優しいが、それ故に厳しく接することもある。子供判定は中学生くらいまでらしく、高校生の星崎さんや見た目が少女なだけの十二式には人格的に未熟な扱いはしても子供扱いはしていない。
既にお金持ちであるが、お金稼ぎや利益を得ることに余念がなく株や取引も手広く行っている。
ゲーム好きでソーシャルゲームやネトゲ含め様々なものに手を付けているゲーマー。
多芸で車やバイクの運転、無線、機械いじり、似顔絵描き、など様々なことを得意とする。語学も堪能。
異能 エナジードレイン
触れた他者の生命エネルギーを吸い取ることできる。他に能力拡張の副産物として常人を超越した身体能力、再生力、寿命を持つ。
数少ないランクA能力者ではあるが、異能自体はBランク評価であり、彼女の人脈や財産など込みの評価。
触れさえすれば一瞬で能力行使が可能で、即死させることも軽い気絶で済ませることも可能。
身体能力は人外の域にあり、大人も軽々と持ち上げ、高速で移動できる。また、柔術や合気道的な技術も収めているようで、佐々木を即座に組み伏せたりもしている。
再生能力は内臓を破壊されたり四肢を切断されても元通りに治せるほど高い。ただし即座に再生とはいかず、多少の時間はかかる。
腹を抉られて内臓が見えるほどの重傷を負っても生存に問題ないなど耐久面も上がっている模様で、今のところ限界は不明。ただし痛みがないわけではなく、普段は平気な顔をしているが不意打ちでダメージを受けた時は苦悶の声を漏らしている場面もある。
肉体的な強度も多少上がっているらしく、分厚い氷を素手で砕いたり、樹木を一撃で倒壊させ大人の男の両脚を消し飛ばす佐々木の雷撃魔法を受けても片脚を抉られる程度に抑えている。
活躍
※以下、物語のネタバレを含みます
当初は佐々木の初任務の場で佐々木と敵対する場面で遭遇する。
異能対策局と敵対する組織の一員として念動力者とステルス能力者と共に参加しており、念動能力者によって局員が壊滅的な打撃を受けた頃に現れて星崎さんの攻撃を一蹴して異能力で気絶させ、佐々木と対峙するもそこで異能の法則から外れた佐々木の魔法に圧倒された事で彼に興味を持つ。
撤退後、佐々木によって仲間ともども撃退された責任(特に念動能力者が佐々木の魔法で両脚を失う重傷を負ったこと)を組織の仲間から負わされ、それ以前からの意見の食い違いもあり一気に苛めとして顕在化するなど組織内での立場の悪化もあり、佐々木に仲介役を頼んで局に転職を希望し嘱託の立場となる。
局とは別に佐々木の異世界貿易のための私的な金や物に関する取引の交渉しつつ、弱みを握って支配下に置こうと画策するが、佐々木に家族や恋人などが全くいなかったため、やむを得ず取引現場に紛れ込んでいたエルザで弱みを握ろうと動くが、ピーちゃんの強さを知らなかったことが仇となって阻止され、敵意や害意の意志や行動に反応し肉体を蝕み続け肉塊へと変える腐肉の呪いを刻まれる。
その後も臆することなく飄々とした態度で付き合い、佐々木も裏切ろうとして呪いを刻まれたことは彼女の非でもここからは対等だと改めて関係性を構築していくことなる(二人静が動く直前には佐々木も無理やり彼女を共犯にしてしまおうと考えていたため、実際先に動いたのが二人静というだけで佐々木もあまり人のことは言えない状況だったのもある)。
古巣である組織のトップであるアキバ系の人の襲撃からの救援に来た佐々木とピーちゃんと正式に取引を結ぶ。その後局の異能者を狙って襲撃に来た魔法少女二人と佐々木と協力し交戦、撃退したことを以て正式に超常現象対策局の局員となった。
その後は愛車を乗り回して佐々木たちと共に公私にわたりよく移動をするようになる。局員として共に任務に挑むなど交流を深め、異世界貿易関係だけでなく、諸事情でしばらく現代日本に住むことになったエルザ様の住居を手配したり、課長の悪事や策略を巡る情報を手に入れて佐々木と共有し対応を話し合うなど関係を深めていく。エルザ様歓迎会では佐々木と共に寝落ちするなど親しく過ごすが、ピーちゃんのミスで異世界語で喋るピーちゃんとエルザ様の動画が全世界に配信されてしまったことで起きた騒動の際には流石にお冠であった。
課長の悪事を巡る話を語る際には佐々木から「横顔が格好いい」「見た目完全に女児なのに、思わず見惚れてしまう」などと称されたり、異世界から現れたクラーケンを巡る騒動の頃には、睡眠時間の確保のためとはいえ佐々木からの援護もあって異世界に連れて行く許可も出されるなど、様々な出来事を経て佐々木とピーちゃんからある程度の信頼を得るようになっていく。
ピーちゃんからは自分に何かが起こった時は、上位個体になったことで常人より寿命が遥かに長くなってしまった佐々木が地球側で孤立し爪弾きにされないように、佐々木と同じく不老長寿で似た様な境遇から様々な苦難を乗り越えた二人静に佐々木のことを頼まれている。
また、ボートから落ちそうになった佐々木を助けた際には佐々木から「もしも手の甲に痣がなかったら、惚れていたかもしれない」と思われるなど好意や信頼を得つつあった。
が、何故かその後急速に佐々木とピーちゃんからの信頼と関係は悪化していく。
彼らを裏切ることもなく、幾度も局の任務に共に出動し、守ることもあれば守られることもあるなど助け合い、不利益を出すこともなければ、爆破でアパートが無くなってしまった彼らに自身の別荘を使わせたり食事を振るまったり、お隣さんの実質的な保護者となったり、異世界貿易など様々なことで依然としてお世話になっているにもかかわらず、佐々木とピーちゃんからの評価や反応は強い不信と嫌悪に染まったものになっていく。
佐々木からは異星人を巡る騒動の際に共に任務にあたっている時、二人静にアキバ系の人の攻撃から庇われても何とも思われず、敵との交戦で二人静が怪我をした姿を見ても裏を疑われ「もはや彼女を本心から信用することはできない」とまで考えられてしまっている。
佐々木は家族ごっこの参加者として目をつけられてしまった自分たちどころか地球人類にとってあまりにも危険かつ迷惑な十二式を穏便に母星に帰すための二人静発案の作戦には賛同しつつも説得や否定などの汚れ仕事は二人静に任せきりで、更には簡単に絆されて十二式側につき、一貫して十二式を星に帰って貰おうとしている二人静のことを「十二式さんよりよほど機械してる」と打算だけの情のない人物のように評している。
天使と悪魔のデスゲームを巡る陰謀を危うく乗り切った直後には、二人静が裏切ってこの危機を仕組んだのではと根拠も挙げずに一方的に疑い、メインキャラたちの前で詮索して周囲からの非難と疑惑に晒し上げている。状況を説明した二人静を信じたいとするお隣さんの論理的な弁護も「それも含めて二人静氏の策略」と裏切り者という結論ありきで受け取り、二人静が陰謀関係者の天使に狙われ殺されそうになってすら自作自演を疑っている。
佐々木は二人静が仇以外の異能者へも無差別殺傷を続けるマジカルピンクを、腹を抉られる重傷を負いながら説得する姿さえも「二人静氏というだけで、どこまでも胡散臭く感じられる」「欲望にまみれた笑顔にしか見えない」ともはや疑う理由など二人静だからというだけで十分と思っているような酷薄な感想を抱き、二人静が仇を見つける手助けの代価に異能者への無差別攻撃をマジカルピンクに辞めさせるのに成功した後も「利用しようと考えている」「極悪非道」と悪しざまな言い回しで十二式と共に二人静を酷評している。
「自身もピーちゃんの呪いがなければ、絶対に逃げ出しているエンガチョ人間関係」と考えられているなど非人道的で人権を否定する呪いで縛られていなければ関係の維持すら拒絶されているほどに佐々木からの信頼は完全に破綻している。デスゲームにおける悪魔の報酬で異世界の呪いに干渉できることが確かめられたため、いつ佐々木から縁を切られてもおかしくない状態になっている。
ピーちゃんは口だけは二人静を評価すると嘯きつつも、塩対応を取り続け、彼女に忖度は一切せず不快感や敵意を露骨に出すようになり、たびたび睨み合いも起きるようになっている。癇癪で関係ない人間も巻き込んで街一つ消す虐殺を起こし承認欲求で佐々木たちを拒否のできない家族ごっこに巻き込んでいる十二式のほうがよほど謙虚とまで皮肉るほど二人静の人格を忌み嫌い、二人静側もピーちゃんが自分の命を非常に軽く見ていると認識しているなど不仲になっている。
二人静に刻まれた腐肉の呪いの緩和や解除交渉は論外状態であり、デスゲームのご褒美を利用してルイス殿下の呪いを解除することを二人静が提案した際には強い敵意を見せ、実際に彼女のおかげで呪いが解かれたあとも一切恩や感謝を顕さず嫌悪を強めている。二人静との他愛のない雑談で意見が合うことにさえ不快感を顕にし、更には呪いで敵意や害意を抱くと肉体が蝕まれる二人静に挑発行為を行うようにさえなっている。
佐々木は二人静に世話になりつつ強い不信を抱きながら、それでいて対応はどんどん雑になっている。
佐々木は「当初から友好的な関係を結ぶべく腐心している」と自分の二人静への対応を自認しているが、実際は十二式に家族ごっこを強制された際は「二人静氏の協力がないと、疑似家族の運営が難易度ハードになりそう」、局の任務で2人で教師として学校潜入任務の際には「学校内の面倒事、なるべく二人静氏に丸投げしたい」と考えるなど積極的に自分の面倒事を彼女に分担または押し付けようと考え、それでいてお隣さんや星崎さんやエルザ様を放って置くことは忍びないが二人静氏が苦労する分には静観することも考えるなど、二人静と共同で保護したり世話を焼いている彼女らより二人静の扱いは明確かつ大きく下にわけている。
証拠もなく佐々木に裏切りを疑われた二人静の説明を信じたいと表明したのはお隣さんとアバドンだけであり星崎さんなど本当に信じていいのかと疑いを口にするほど佐々木が撒いた不信が解決していない状況で、二人静からフォローを求められても佐々木は拒否している。その状況を佐々木は「和やかであった食卓」と称し証拠も根拠も無い状況で裏切りを詮索したことへの弁明や謝罪なども全くしていない。その後の局の任務で二人静が佐々木への不満から出た悪口で腐肉の呪いの侵食が進み脅かされている姿も平然と見ているだけで声を掛けもせず、ここのところ調子に乗っていたのでいい牽制になったと冷ややかに考えている。
佐々木は二人静から不満が出てもその場を適当に誤魔化すか無視するだけで行動で改めることは基本的に無い。新しい自宅を決めるのを面倒くさがり二人静の別荘に入り浸って寝泊まりするのを「至高」「最高の休日」と絶賛する一方でそれをいいことに自分の郵便の配達先を彼女の別荘に勝手に切り替えるといったあまりにも図々しい行動に文句が出ようが、お隣さん側についたため陰謀に関わっていないことを説明した二人静を信じず裏切りを疑い続けていたことを口にしてしまい自分のことをなんだと思っているのかと睨まれようが無視して話を終わらせている。
二人静を嫌う十二式の嫌がらせで彼女が冬の気候のプレハブに追いやられる姿も、二人静に助け舟を出そうとしたエルザが十二式に黙らされる姿も終始沈黙を貫いて見ているだけで、その後もフォローや気遣いは一切していない。十二式の嫌がらせがエスカレートして二人静を多少やりすぎなくらい痛めつけるための兵器開発を進めていることを知っても放置している。
ピーちゃんとの関係が悪化していることにも我関せずの態度を取り、間を取り持とうとは一切しなくなっている。それどころか彼女に色々なことでお世話になっていることを頭の痛い問題と称するなど恩を返すどころか恩ができるのを不快に感じており、私的な活動への協力をする場合佐々木に二人静を捨てることを条件の一つに出した十二式の言葉も魅力的に考えて、二人静を嫌うピーちゃんに相談すれば快諾されるに違いないとすら思っているなど彼女を捨てる算段を整えつつある。
関連人物
職場の同僚にして私生活面においてもビジネスパートナーにして相方。だが、何故か付き合いが進むほど強い不信を抱かれていっている。
ビジネスパートナー。当初からあまり友好的ではなかったが、徐々にあちらからの敵意と嫌悪は肥大化しつつあり不仲になっている。
職場の同僚で先輩。子供扱いはしていないが彼女の短慮っぷりに呆れたりツッコむこともしばしば。彼女から対抗意識を持たれているようで反論を受けることも多いが、仲が悪いわけでない様子。
異世界の貴族令嬢。佐々木たちから世話役を頼まれており、当初のステイ予定先だったホテルがピーちゃんのミスで使えなくなったこともあり、自身のお気に入りの別荘をステイ先として使わせており、一緒に過ごす時間も多く一線を引きつつも友好的な関係。
佐々木の元隣人。デスゲームを巡る事件を通して、親と住む場所を失った彼女の世話を行い、デスゲーム報酬に関する取引をして実質的な保護者となり、私生活の世話や相談にも乗っている。
異能者を無差別に殺しにかかる魔法少女。友好的な態度を示しつつも内心では彼女の無軌道な連続殺人に大人として腹を立てており、フェアリードロップスを巡る事件を通して彼女の説得に成功し、仇を見つける手助けをすることを条件に、それ以外の異能者への無差別攻撃を辞めさせ協力関係となる。
機械生命体。彼女のあまりにも危険過ぎる力を持ちながらチヤホヤされたい願望や「家族」への憧れに危機感を持っており、そのあたりについて辛辣なため仲が悪く、彼女から嫌がらせも受けている。一方で彼女の破壊ではなくあくまで穏便な退去を求めるスタンスは一貫し、意識の連続性なども気にかけている。また十二式の問題行動や発言に何も言えず黙ってばかりなことが多いほかのメンバーの中で、それが十二式からの不興に繋がると理解しながらはっきりと指摘することも多い。
職場の上司。彼の裏側についてある程度把握しており、互いに警戒と利用をし合っている。
アキバ系の人
元所属組織のトップ。彼が足抜けした二人静を殺しにきた際に救援にきた佐々木たちとの取引で一度は連絡を再び取るようになったが、十二式を巡る騒動で彼女を破壊する派だったため再び敵対関係となっている。