概要
著者:金井千咲貴
月刊少年ガンガンで連載中の漫画。2024年12月現在、刊行7巻。
あらすじ
人間を喰い殺す「吸血鬼」が出現し、猛威を振るうようになった日本。 対吸血鬼保安隊の班長の唯鈴は、仲間を守るため、国に非公式で拘束されている「吸血鬼殺しバロック」の誘拐を目論む。 それは、あまりの美しさに見た者を狂わせるという伝説上の「吸血鬼」で――。 血と呪いと恋にまみれた吸血鬼殲滅譚、開幕!
世界観・用語
- 吸血鬼
人間の血を吸い、時には喰い殺す驚異の存在。日本ではすでに1000人以上の被害者が出ており、数も徐々に増えているため深刻な被害が相次いでいる。政府からも危険な存在として殲滅対象となっているが、出現時には対吸血鬼保安隊が対応しているものの、簡単に倒すことができないため保安隊からも多くの犠牲が出ている。
化け物じみた身体能力を持ち、再生能力も高い。生命源は魔力で、それを生み出す心臓を破壊しれば滅することができるものの、それ以外の箇所を激しく損傷しても死ぬことはない。
中には「呪い憑き」と呼ばれる異能の力をあやつることのできる特別な吸血鬼も存在する。
- 対吸血鬼保安隊
緒坂唯鈴が所属している吸血鬼に対応するために結成された特殊部隊。吸血鬼が出現した場所に駆けつけ、人々を守りながら戦う任務を中心に担っている。一般人にとっても唯一吸血鬼に対抗する組織として広く知られており、頼りにされている。しかし隊員が特殊な訓練で鍛えられ武装しているものの、必ず吸血鬼を倒せるわけではなく、すでに多くの殉職者が出ている。
主要登場人物
- 緒坂唯鈴
対吸血鬼保安隊班長。普段は温厚な性格だが、仲間を守るためならどんな危険も顧みない。高い身体能力を持つが、単独で吸血鬼討伐には至らない。吸血鬼との戦闘で命を散らしてゆく部下達を憂い、国に非公式で監禁されていたバロックを解放したことがきっかけで惹かれ合い、(監視等々上からの命令もあって)彼女とコンビを組むことになる。血を必要とするバロックに対しては迷いなく自分の血を分け与えており、不必要な犠牲を防ぐために自己犠牲もためらわない優しいが危うい一面もある。
実は記憶喪失で、1年以上前の過去が無い、謎の経歴を持つ。
- バロック
あまりの美しさに見た者を狂わせるという、吸血鬼殺しの吸血鬼。伝説上の存在とされていたが実際は力を畏怖した人間達に捕まり20年間監禁、日本政府に囚われていた。しかし唯鈴によって解放、再度防衛省に拘束されるも、唯鈴の説得を受けた榊一に利用価値を期待され拘束を解かれる。吸血鬼を殲滅するのはあくまで唯鈴の願いを聞き入れるためであり、自分を拘束していた政府関係者のことは基本的に信用しておらず、一とは対立することもある。また、唯鈴以外とは滅多に会話せずふだんは無表情であり、乙女のような反応を含めさまざまな感情や表情を見せるのも、唯鈴の前だけである。
伝説では美しさで殺すとされていたが、実際は呪いで呪殺する呪術使いの吸血鬼。
- 榊一
日本の防衛副大臣を務める男性。短髪のオールバックで、右目下にホクロと額に傷痕がある。どんな時も無表情で、何が起こっても冷静に判断し、時には冷徹な対応を取る。バロックを連れ出した緒坂唯鈴を尋問後に処分しようとするが、バロックの能力について教えられ、彼らに興味を抱くと共に利用価値を見出し、施設に侵入したバロック狙いの吸血鬼を退治した一件で唯鈴とバロックをシェルターで同居させたうえで、唯鈴に、彼女を完全に制御・管理できる「首輪」になることを命令するようになった。
登場当時は副大臣だったが、前述の襲撃で当時の大臣が死亡したため、昇進して防衛大臣となる。
- ラピス・ラズリ
高校で、自身をバロックだと偽り崇拝されている吸血鬼。バロックの伝説にある「あまりの美しさに~」に相当する美麗な男性吸血鬼。彼も吸血鬼であるが、人殺しを厭い人間には基本友好的である。
バロックとは旧知の中であり、唯鈴をめぐって言い争いになったりと、彼女とは似たもの同士且つ同族嫌悪の間柄。
強力な催眠能力を持つ。