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概要

型式はANー21

SAGAで登場したアルザードの原型となったマシンで、開発者の名雲京志郎は「オリジナルアルザード」と称した。

CV:天野由梨

※ただし「凰呀」の声であるという制作側からのコメントはない。

 名雲京志郞のチームが、兄名雲征によって制作されたの試作マシンの3号機をベースにアオイの研究開発部門で製造したサイバーマシン。

マシン解説

 アルザードと同様の多段変形機構を持ち、サーキットモード、エアロモード、エアロブーストモードに加え、スーパーエアロブーストモード、ミラージュターンモードの5モードの変形が可能。変形機構についてはアルザードと同じくレアメタルを使用し、無理のない変形を行う。

 車軸配置は、元はアスラーダ・プロジェクトから途中で枝分かれした関係から、旋回性能重視の前4輪・後2輪の6輪仕様で兄弟機というべきアスラーダとの共通性が強い反面、エクスペリオンなどのトラクション性能優先の過去のアオイ製CF車との共通性は少なく、唯一2段ブースト作動時のフロント車幅を縮小するスーパエアロブーストモードにアオイ製CFマシンとの共通性を見出すのみとなっている。

 機構作動原理は不明であるが、ブースト時に2段階に渡って加速する(ドライバーが任意で作動させるνアスラーダとは違い、2段階目のブーストの作動はドライバーの意思に関係なくほぼオートで行われている)。

 バイオコンピューターCSは、名雲征の「究極のレースマシンの追求」「人とマシンの真の融合」というマシンの高性能化思想に則った「常に最速のみ」を追い求めていく物で“補助”や“補強”の域を超えた、ドライバーと共に走る“共闘”の域まで実行可能で、完全に機能すればドライバー単独では成しえない究極の走りが可能となる程に超高性能な物。

 しかし、マシンとドライバーの共闘に必要なドライビングテクニックや反射神経への配慮や譲歩といった人間に歩み寄る機能が全くなく、ドライバー側がマシンの要求に応えられない限りその実力を発揮する事は事実上不可能であった。

 ドライバーを顧みず、だだ最速を求める性質から走行時、常に過度の走行補正を独断で行い(挙動が大きく変化するモード変更を勝手に行う、追加ブーストを勝手に作動させるなど)運転技術の未熟なドライバーや限界走行に弱腰なドライバーにも本気の限界走行を要求させる代物。

そのため、総合性能ではνアスラーダAKF-0/Gと唯一対等に戦える究極の高性能を誇るが、人とマシンが段階と手順(ドライバーの成長とマシンのアップデートや、双方の協議による課題の克服など)を踏んで究極の領域に辿り着いたアスラーダとは違い、完成時点で既にその領域に辿り着いてしまっている本機は、兄弟機譲りのピーキーな特性と前述のCSの過激な性格と相まって誰にも乗りこなせず(ドライバー側の成長を待たずにマシン側が既に完成形になってしまっている)乗り込む人間に死をもたらす文字通り食人鬼(オーガ)と化してしまったため、長きにわたって封印され、代わりに本機をデチューンした上で 薬物を併用しドライバをマシンが支配する傀儡機構を備えたアルザードが開発されている。

 しかし、アオイチームがアルザード事件の制裁として課せられた1年間の謹慎明けの復帰戦で、2年落ちのマシン(エクスペリオンZ/A−10)で惨敗。チーム存続の危機(参戦継続の条件として「2023年シーズンにチャンピオンを獲得する事」と提示されてはいたが、これはあくまで建前で、親会社としては2023年シーズンをもって撤退する意向であり、そのためにマシンの新規開発も了承せず、どうやっても達成不可能な条件をチーム側に提示してきたのである)を乗り越えるための起死回生策として本機の封印が解かれ、加賀をメインパイロットとして実戦投入された。

 だが、加賀の腕をもってしてもゼロの領域を駆使してなんとか事故を起こさずに走れるといった状態で、前述のドライバーとの信頼関係醸成が極めて困難なシステム特性もあって、マシンへの不信感から全く相互に噛み合わず悪戦苦闘、かつてアルザードのドライバーとしてバイオコンピューターCS搭載マシンを経験したフィルやチーム監督のグレイ・スタンベックの助言(グレイ曰く、走行不安定になっている原因は加賀にあり「加賀が凰呀を信じ切れず限界まで踏み込めていない」ためである事を見抜き、何度も「もっとマシンを信じろ」と、助言を与えていた)などもあり、ようやく完全に乗りこなせたのはグランプリ最終レースの最終盤になってからである。

試作機

 風見広之と共にアスラーダの開発に関わっていた名雲征が、彼との対立で袂を分ち、代わりに独自製作したマシンで、「人とマシンの融合」というコンセプトのアスラーダに対し、それを更に推し進めた「人とマシンの真の融合」というコンセプトのもとで作られた。1〜3号機の3台が存在しており、凰呀のベースとなったのは、前述の通り3号機である。

征の思想を元に設計された物だったため、試作機の段階から既にバイオコンピューターが搭載されており、凰呀同様に速さだけを追求してドライバーに多大な負荷をかける欠点が早くも発生してしまっていた。結果、試作1号機、2号機それぞれで1名のテストドライバーが死亡、という最悪の結果を生んでしまった。これが原因で3号機に至ってはテストドライバーすら見つからず、さらに設計者の征が自責の念からなのか自ら命を絶ってしまい、凰呀に改良されてからも長きに渡り封印される事となった。

風見広之と征の対立は、風見も「人とマシンの融合」というコンセプトを目指してはいたものの「人間の成長を待たずに、マシンのみを急激に進化させるのは危険」と考え、ドライバーの心身の成長を軽視してサイバーシステムの力で究極の走りを実現しようとした征の設計思想に対して否定的だった事が原因なのだが、上記の結果で風見の懸念が正しかった事が証明される事となった。

 風見によって開発されたアスラーダは、サイバーシステムにドライバーの技量や心情を考慮する機能が施された。これは、「並のドライバーには回答困難な最適解を一方的に出題する」凰呀に対し「時間をかけてマシンと人間が共に成長と協調をして課題を克服する」事で「人とマシンの真の融合」を実現し、最終的にはハイレベルな走行が可能になるという物で、これによりドライバーとマシンの関係に対立や破綻をきたす凰呀の欠点を解決している。

余談

①常に最速を目指し、人間無視といわれる当機のバイオコンピュータであるが「アクセルを全開に踏むまで補正を積極的に行わない」というように、敢えて性能補正のレベルを下げて乗りにくくし、ドライバーに奮起を促したり新しい技術を教えるような制御も行っており優先順位は高くないながらも人間を導く機能はある様子である。(もっとも、それをCSから積極的に表現する事が無いためその意図は伝わりにくく その意味にようやく気付いた加賀からも「意地悪な奴」と苦笑いされている)

②アスラーダとは元々兄弟機であるため、見た目だけでなく一部部品の互換性があるようで、最終盤でのクラッシュ大破時にはスゴウチームからも部品供給を受けている。

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  • 壁に耳ありマシンに目あり

    『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』、加賀(×今日子) with アスラーダ。SIN以降。初出:2010年11月。 アスラーダと凰呀の間に何らかの友好関係があるといいなぁという願望です。凰呀は女の子だと思うんですよね凰は雌だから!(毎回主張する)

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