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概要編集

初出は2002年にRUNEから発売されたアダルトゲーム

2005年にアダルト要素を抜いたプレイステーション2移植版『初恋 -first kiss-』が発売された。


主人公の動向や言動を選択肢で選びつつ物語を追っていくアドベンチャーゲーム。

タイトルの通り前半は学生時代の甘酸っぱい青春の恋のストーリーだが、後半の多くは意外な展開がプレイヤーを待ち受ける。



あらすじ編集


海に面した聖桜館学園に通う中等部2年生の『初島稔』は、同い年で且つ同じクラスの妹『初島杏』や幼馴染の『西村陽子』を始め、友人たちと何気ない日々を過ごしていた。

しかし春先のある日、友人の『鎌田直矢』と『加藤美木』が屋上に友人たちを招き堂々と交際を宣言。

各々驚きつつも祝福の言葉をかけて盛り上がる中、稔は初めて「恋愛」というものに興味を持ち、同時に周囲の友達でしかなかった女性を異性として意識するようになる。

そんな矢先、親友の『二木竜也』の依頼で、稔は彼のラブレターを学園のマドンナと称されるテニス部の3年生『桜井小桃』に渡すことになるのだが……。


登場人物編集

(メインキャラクター)


「初島稔」

主人公。聖桜館学園に通う中等部2年生。見た目も運動も学力も取り立てて特徴がない「平凡」を絵に描いたような人物で、今まで恋愛に全く縁がなかった。

また作中でも周囲にたびたび指摘されているが性格が優しい反面、相手や周囲に流されやすく頼りない印象を持たれやすい。

具体的にどんな風に頼りないかというと……、

       

・ラブレターを渡す際に飛んできたボールで顔を打ち、痛みでしゃべれず自分のラブレターと誤解される。

・嵐の中テントで暮らす後輩の安否を確かめようと外に出た直後に飛んできた看板に直撃し朝まで気絶。

・昼休みに合唱コンクールのピアノ伴奏を依頼するはずが相手の話に付き合いすぎて依頼を忘れ食いっぱぐれたクラスメート全員に天誅を喰らう。

・裏山の社が工事で崩されているにも拘らずヒロインの静止を無視して近寄り盛大に落下。

・ちょっとしたことですぐ謝る。萎縮して自分の意見を言えず、相手の顔色を窺おうとして結局事態を悪化させる。

       

等々、ゲーム内でも恋愛ゲームの主人公らしからぬ伝説をいくつも残しており、早い話がのような人物である。



桜井小桃

メインヒロイン。稔達より1年先輩の3年生でテニス部所属。年上らしからぬ天真爛漫な可愛らしさから学園でもダントツの人気を誇り、マドンナと称されるほどの高嶺の花。

大福をこよなく愛し、学校にも何個かストックで持ってきているほどの筋金入り。差し出されたときに断ると「人間じゃない」とまで言ってしまう。

稔とは初対面のはずだったが、彼女自身は稔に見覚えがあるようで……?


彼女のストーリーは纏めると「輪廻転生を、貴方は信じますか?」。

稔は彼女との出会いをきっかけに彼女そっくりの着物の女性を夢に見るようになり……。



初島杏

戸籍上は稔の妹だが、年もクラスも一緒。チアリーディング部所属で、小桃とは部活の応援の関係で顔見知り。

いたずら好きな小悪魔な性格で、いつも兄を罠と称してからかっているが、それは全て兄の気を引くためのものである。

幼少期から稔が大好きで真似事で婚姻届に二人でサインしている。そのため周囲からは兄妹の一線を越えてしまわないか危惧されてまでいたり。

しかし兄を独占しようとまでは考えておらず、寧ろ明確な彼女が出来たときは誰よりも応援してくれる良い子である。


彼女のストーリーは纏めると「ボクは、妹に恋をした」。

多忙を極める両親が家を連日開ける中、稔と杏はふとしたきっかけで互いを異性として意識し合い、そして……。



高鷺花梨

稔のクラスメートで、町内でも有数の大金持ちの令嬢。若干近寄りがたい雰囲気だが、実際は気さくで話しやすい人物。

一方で他人の顔を覚えるのが苦手で、数年前の友達の顔を思い出せないと話しており、主人公の名前も覚えるのに時間がかかった。

幼少期からピアノを習っており、その腕前は合唱コンクールの伴奏を依頼されるほど。

その過程で主人公と知り合い、急速に仲を深めていくのだが……。


彼女のストーリーは纏めると「レプリカはその旋律を覚えているか」。

ピアノだけは覚えていた幼少期、思い出せない友達の名前、その謎のすべてが信じられない形で解き明かされる。



椎名柚純

稔の前に突然現れる、半透明の幽霊のような少女。彼女は稔をなぜか幼少期から知っているという。

最初こそ会話も出来ず怖がった稔だが、徐々に意思疎通が出来始め、互いに触れられるようになった際に裏山の社へ彼女は稔を案内する。

そこでの逢瀬を最後に消えてしまう彼女だったが、数日後に同姓同名且つ瓜二つの少女が転校してきて……。


彼女のストーリーは纏めると「時を駆ける約束」。

稔の前に現れたあの半透明の少女は何者だったのか。何故子供の頃から稔を知っていたのか。

全ての答えが最後の最後に明らかになる。



ココ・夏野・パルフェ

稔より1年下の1年生でハーフの少女。学園長の特別措置で学費を免除される代わりに、放課後に花梨の屋敷でメイドとして働き、屋上にテントを張って生活している。

幼いながら快活で、メイドの仕事柄家事全般のプロフェッショナルであり、その鮮やかな腕前は家庭科の授業で助っ人に呼ばれるほど。

稔とは野良犬に取られてしまった夕飯のメロンパンを奢ってもらった事から知り合うようになり……。


彼女のストーリーは纏めると「愛しています、メイド様」。

幼い頃に亡くなった母の母校であったことが、この町へ来た理由だと語るココ。

一方、日本に近く石油王が来日するというニュースで世間が賑わい始めて……。


(サブキャラクター)


「西村陽子」

稔と杏の幼馴染で、クラスの学級委員長を務めるリーダー的存在。杏とは同じチアリーディング部で、小桃とも顔見知りである。

基本的に悪ふざけする面々に豪快な梅干クラッシュ(早い話がこれ)で突っ込む常識人だが、少々手が早いのが玉に瑕。

普段は勝気な一方でお化けが苦手という女の子らしい一面も持っており、美木主催の肝試し大会では杏と二人で大騒ぎしていた。

幼少期からの幼馴染ということで距離が近すぎたのか、どのストーリーでも稔とは関係が進展する様子はない。だがあるルートでは傷心の稔を想うあまり……。


「二木竜也」

稔の男友達で小桃編のストーリーでは重要な鍵を握る人物。成績優秀だが、少々口が悪い。

美木との交際を発表した鎌田に即発される形でかねてから思いを寄せていた小桃にアタックをかけるべく稔にラブレターの渡すよう頼み込む。

小桃編に進むかどうかでその後の行動が最も大きく変わる人物であり、他のルートではラブレター作戦を大失敗した稔を笑って許してくれる。

しかし肝心の小桃編では稔が小桃を横取りしたとして激怒し、稔を恨むようになってしまう。

その様子は西村をはじめ友人たちも戸惑いを隠せず、まるで別の誰かが乗り移っているかのようで……。


「鎌田直矢」

稔の男友達で、物語の発端を作った人物。彼が友達の加藤美木との交際を発表したことから物語は始まった。

稔と竜也にかなりうらやましがられていたが、彼自身も彼女に行き着くまで3度玉砕を経験しており、彼なりのかなりの努力があったことが窺える。

押しの強い美木に終始尻に敷かれているのではと不安がられていたがそんなことはなく、大事な場面ではしっかり彼女をリードし、暴走したときはしっかり叱って止めるだけの強さがある。


「加藤美木」

稔の女友達で、物語の発端を作った人物。彼女が鎌田の告白を受け入れ、交際を発表したことから物語は始まった。テニス部所属で小桃とは先輩後輩の間柄。

メンバーの中でも一際個性が強く、周囲には「美木ちゃん」または「美木ぽん」と呼ばせ、それ以外だと訂正させる。……、が、鎌田だけは呼び捨てを許可していたり。

序盤の共通イベントである「肝試し大会」を企画したのも彼女で、特に特徴のない学校にあることないこと混ぜ込んで一丁前の七不思議を作り上げて西村どころか全員を震えさせた。

恋愛についても自身の見解をストレートにいうタイプであり、小桃にアタックしていた竜也を「無理」と一蹴し、傷口をヤスリ掛けする追い討ちを放っている。

その一方で稔と杏が兄妹の一線を越えたときも「本人たちが本気ならいいじゃない」と唯一味方の立場を崩さなかった。


「高田」

稔のクラスメートで、花梨とタメを張れるほどのお嬢様。主に花梨編とココ編に登場する。

しつけに厳しい両親の影響で自他共に厳しい人物だが、金持ちを鼻にかけることはなく、誰にでも公平に接する人物。

ピアノの腕も花梨と肩を並べる腕前であり、合唱コンクールの伴奏を花梨が辞退したときは代役を務めた。

ココに対しても廊下を走ったことを叱る場面はあったが、後に彼女の開いた調理実習では素直に教えを聞いて和解している。


「松下」

稔のクラスメートでいつも高田に引っ付いている所謂腰巾着というか取り巻き。

高田を尊敬するあまり彼女の意に反するものは全て許せず、叱責されたココに追い討ちをかけて謝罪を要求したり、

伴奏の花梨の代役に高田が決まったときは「ざまぁみろ」といわんばかりの勝ち誇った顔で稔を怒らせかけた。

ただいずれにおいても相手を見下す態度を高田本人に注意されているが、他人がそれを指摘すると逆切れする。


「大広」

稔のクラスメートで松下と共に高田に引っ付いている取り巻き。

松下と違って口数は少ないが、グサッとくる一言を容赦なく突きつけるタイプ。

下の名前は「ケイト」といってハーフらしく、語尾がカタカナになるのが特徴。


「母」

ファッションデザイナーの仕事をしていて中々家に帰ってこない初島家の母。

帰宅早々家の管理が出来ていない兄妹に雷を落とすが、自身も仕事一辺倒で子供たちの世話も満足に出来ていなかったりする。

杏編以外では花梨編で一瞬顔を見せる程度で、他ではほぼ登場しない。

ちなみに杏編では知らないうちに一線を越えてしまった子供たちに驚いてパニックになるあまり、家族の間に溝を生んでしまった。


「父」

母同様現役バリバリの営業マンで、出張続きでやっぱり中々家に帰ってこない初島家の父。

仕事ばかりで子育てを二の次にする母に苦言を呈してはケンカになっているが、子育てを母だけの義務と考えている辺り、人のことは言えない。

母ほどではないが一線を越えてしまった子供たちに動揺しており、その責任を母に押し付けてしまい溝を生んでしまった。


「花梨の父」

街有数の資産家であり、花梨の父。花梨編にのみ登場。

オカルト文化にも精通しており、終盤では稔に衝撃的な事実を突きつけることになる。


「花梨の母」

病弱で一日の大半を室内で過ごしている、花梨の母。花梨編にのみ登場。

花梨の姉を早くに亡くしたために心に傷を負い、その影響で病弱にも拘らず不意に外に出て目付け役のココに心配をかけていたりする。

そんな弱った体で花梨を出産できたというのも不思議な話だが……。


「梶原」

高鷺家に古くから仕える執事。黒いリムジンで花梨の送り迎えも担当している。花梨編にのみ登場。

主の命には絶対服従で口も堅いが、花梨の意思が固ければそれも尊重できる執事の鑑。


「プルーン」

高鷺家に仕えるメイド長。ココ編にのみ登場。

梶原と違って昔から勤めていたわけではなく、ココの来日に伴い彼女の指導役として高鷺家にやってきた。

ココの高いメイドとしての家事スキルは、全てプルーンのたたき上げによるものである。


「王様」

日本と関係の深いとあるアラブ諸国の石油王。とある事情で緊急来日し、世間を驚かせた。

実は日本にある人物を探しに来たようで……。


「犬」

公園を根城にしている野良犬。ココからメロンパンを奪った犯人。

しかしココ編では後に罪滅ぼしなのか、なくしてしまった彼女の宝物を見つけ出す大手柄を上げる。

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