概要
南海電気鉄道高野線は難波と極楽橋を直通運転する「大運転」を伝統的に守っていたが、高野山への参詣需要や学校団体需要が下火になり、特に橋本以南の輸送人員が減少傾向を示していた。
そこで大運転を縮小して橋本で運転系統を分割し、難波~橋本間は20m級車両メイン、橋本~極楽橋間はズームカーでワンマン運転を行う方針を固め、ワンマン運転対応のズームカーとして新造されたのが2300系である。
2両編成4本が製造され、各編成に花の愛称が付けられている。
基本構造は2000系がベースだが、カラーデザインが高野山の根本大塔に因んだ赤系のものに変更されている。
車内も転換クロスシートを基本として観光輸送に配慮している。なお南海における転換クロスシートの採用は21000系以来のこととなった。
制御装置はVVVFインバータ制御。1機の制御装置で2機のモーターを制御する1C2M方式で、これを4機搭載する。南海では日立製作所製の制御装置を採用するのが慣例化していたが、本系列は東洋電機製造製のものを採用。また2両単独運用中心のため故障対策で二重化が徹底された。
ブレーキ方式は2000系・2200系との連結が出来るよう回生ブレーキ併用電磁直通ブレーキのまま。
コンプレッサーは7100系の廃車発生品を使用している。