概要
原子力ミサイル巡洋艦トラクスタンとは、アメリカ海軍で運用されていた原子力ミサイル巡洋艦である。設計はベルナップ級ミサイル巡洋艦とほぼ同一だが、機関が原子力という点でベルナップ級と異なる。
当初はミサイルフリゲートに分類されたが、種別変更された。1963年6月17日にニュージャージー州カムデンのニューヨーク造船所で起工し、1964年12月19日に進水、1967年5月27日に就役した。
夏の終わりから秋にかけて公試を行い、11月に整調訓練を開始、10日と11日にオペレーション「ベル・アンカー」参加のため訓練を中断し、その後11月27日から12月3日まで演習「ブルー・ロータス」に参加した。整調訓練を終えるとトラクスタンは1968年1月2日に太平洋西部に向けて出航する。7日と8日に真珠湾で停泊し、19日に長崎県佐世保に到着、その5日後に佐世保を出航し日本海へ向かった。
続く四ヶ月にわたってトラクスタンは西海岸で活動し、パイロットの飛行訓練を行う空母「レンジャー」、「キティホーク」、「エンタープライズ」および「ヨークタウン」の対空警護に従事した。11月中旬にトラクスタンは対潜戦の訓練艦となり、訓練生を乗艦させ潜水艦探索訓練を行った。12月初めにオーバーホール準備のためロングビーチに帰港し、1月にワシントン州ブレマートンに移動、ピュージェット・サウンド海軍造船所に入渠し、改装が行われた。その後西海岸沿いの作戦活動を再開、9月23日に2度目の第7艦隊配備に向かった。
1971年1月中旬に作業が完了すると、定時の訓練及び対潜水艦戦演習を行い、その後再び太平洋に展開した。1971年1月2日にロングビーチに帰還、2月2日まで留まりその後真珠湾に向かう。ハワイに2日間停泊した後2月9日に極東に向けて出航、20日にスービック湾に到着する。この配備でトラクスタンはベトナム沿岸でのレーダー識別可能地帯におけるピケット艦任務、演習及び各種の試験に従事した。幾度か横須賀を訪問し、香港及びタイのサッタヒープも訪問した。更に4月後半には2日間の台湾海峡のパトロールも行った。
1995年9月11日に退役し、同日除籍された。その後スクラップとして廃棄された。