諸元
全長 | 955mm(起剣時 1,309mm) |
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銃身長 | 419mm |
重量 | 3,965g |
口径 | 6.5mm |
使用弾薬 | 三八式実包 |
装弾数 | 5発 |
概要
従来、大日本帝国陸軍の騎兵部隊では三八式歩兵銃を基に銃身を切り詰めた三八式騎銃が使用されていた。
しかしながら、帝国陸軍の騎兵は原則として軍刀を携行していた為に、銃剣と軍刀の二重装備が問題となった。
また、馬上で銃撃戦から白兵戦に移行する際に、三八式騎銃の場合は両手を使って着剣しならなかった。
この為に手綱から手を離す必要があり、特に緊急性がある場合や乱戦となった状態では危険であった。
これらの問題を解決する為に、折り畳み銃剣を内蔵した四四式騎銃が開発されることとなった。
特色
四四式騎銃は特に馬上での扱い易さを重要視していた為、通常の三八式歩兵銃や騎銃とは異なる特徴的な点が多かった。
陸軍の華型たる騎兵の為の小銃であり、また製造時期の国内情勢が良かった為、日本軍の銃の中でも特に工作や仕上げが上質であり、その希少性も相まって人気が高い。
銃剣
折り畳み式のスパイク型銃剣が被筒前部に装着されていた。
被筒下部に溝が掘ってあり、通常刀身はその溝に収まるように格納された。
銃剣を使用する際は固定釦を押して刀身を180度廻せば使用できた。
激しい白兵戦で手荒く扱っても銃身に影響が出ないように、被筒前方に頑強に固定された一方で、被筒は銃身に触れないよう工作されていた。
銃身
騎兵銃として馬上で扱い易いように歩兵銃と比較して短く切り詰められた。
また、同時期の銃と異なり銃身は機関部一点で固定されたフルフローティングバレルであった。
銃剣と頑強に固定され、白兵戦で変形が予想される被筒と触れないようにする為である。
照門
歩兵銃と比べて銃身が短くなった事や、揺れる馬上からの射撃を考慮して歩兵銃と異なるものが採用された。
銃床
銃身下に折り畳み式の銃剣が格納された為、歩兵銃では銃身下に収納されていた槊杖を銃床内部に収める事になった。槊杖は2分割の物を継ぎ足して一本にする。
銃床内部に収められた槊杖は銃が振動しても音が鳴らないように板バネでガタを取る構造であった。
また、銃床や被筒、機関部は細かく面取りがなされ、長時間馬上で携行しても負担が少なくなるよう工夫されていた。
運用
歩兵銃と比較して軽量で扱い易い銃として、騎兵以外に輜重兵 挺身兵 砲兵が使用した。
関連タグ
別名・表記ゆれ