概要
三八式騎兵銃(三八式騎銃)とは、大日本帝国陸軍の主力小銃である三八式歩兵銃の銃身を300mm切り詰めて、騎兵銃としたものである。
正式には「騎銃」であるが機銃と発音が紛らわしいため現場では専ら騎兵銃と呼称していたという。
騎兵科の主力としては軍刀と銃剣を同時に装備しなければならない煩わしさを是正するために四四式騎銃が開発されたため徐々に第一線を退いていったものの、輜重兵や砲兵、工兵など歩兵以外の兵科の自衛火器として幅広い運用がなされた。
これは、短機関銃や拳銃等が不足気味であった日本軍において、主力小銃よりコンパクトで補給性に優れ、汎用性がある軽便銃は本銃以外に存在しなかった為である。
また、三八式歩兵銃の後継型として九九式小銃が作られたが、九九式騎兵銃が実戦配備される事はなかった。
これは、口径7.7mmの九九式実包は射撃の際の反動が強く(当時の日本人の体格では)撃ち辛いものであり、九九式短小銃の銃身長が短縮化の限界寸法と見られていたからである。
三八式砲兵銃?
三八式騎兵銃と同様に三八式歩兵銃を短縮した「砲兵銃」なるものが存在しているが、これは日本軍の制式小銃ではなく中国軍が鹵獲した歩兵銃を切り詰めたもので「砲兵銃」なる呼称も俗称である。