概要
国旗には比較的シンプルなデザインが多いのに対し、国章は国旗よりも複雑なデザインのものが多い。これは、国旗は遠くから見てどの国のものかすぐ分かるようにデザインされたものであるのに対し、国章はもともと王侯貴族の紋章という個人的なデザインから発達したものであって、印刷物や電子媒体に用いたり、印鑑や石碑などの装飾などに用いることが多く、近づいて眺めることができるためであると考えられる。
君主制国家では王室の紋章を使うことが多い。共和制国でも君主制時代の国章を使っている国もある。
ソ連を始めとする社会主義国では、穀物、鎌と槌、などの労働者と農民の団結を表す物を国章に使うことが多かった。今はアジアに残っている。
国章の無い国
国旗と異なり、国章は全ての国が法的に正式なものを定めているわけではない。
日本、フランス、トルコなどは国章を法令で定めていず、それぞれ特定の図案を慣習的に国章代わりとして用いている。
日本では、法令等の根拠はないが皇室の御紋章である十六八重表菊が国章として慣例的に扱われている。また、皇室の副紋であり現在日本政府及び内閣、内閣総理大臣の紋章と扱われている五七桐紋も国章に準じた扱いを受けている。