概要
正しくは外資系企業。海外の企業が日本へ支社を設立した場合をこう呼ぶ事が多いイメージがあるが、経済産業省の外資系企業動向調査によれば、正確には以下の条件に該当する企業を外資系企業と呼ぶ。
- 外国投資家が株式又は持分の3分の1超を所有している企業であって、外国側筆頭出資者の出資比率が10%以上である企業
- 外国投資家が株式又は持分の3分の1超を所有している国内法人が出資する企業であって、外国投資家の直接出資比率及び間接出資比率の合計が、当該企業の株式又は持分の3分の1超となり、かつ、外国側筆頭出資者の出資比率が10%以上である企業
出典:経済産業省ウェブサイト 統計>外資系企業動向調査>調査の概要より抜粋 外部リンク
労働環境
もちろん優良な企業も多いが、中には世間に名前は知られているものの既に業績が怪しくなっており、実力主義の割には給与が安く労働環境が劣悪な事業所もかなり多いので、就職・転職の際においては十分注意して情報収集を行うべきである。
見る限りでは、英語を使う機会も意外に多くないという事も珍しくはなく、人の入れ替わりが非常に激しいために人間関係を築きにくい、キャリア形成も難しく福利厚生がほとんどないというのが実情である。また、長時間労働が常態化しており日本企業よりも休みがとりにくいという現実が待ち構えている。外資系だから大丈夫だろうと安易な印象を持たないことも大事である。
労働関係の事案に関しては、大体は日本の労働基準法が適用されているケースも多いが、稀に労働契約が海外の本社で締結されている場合もあり、日本の法律が及ばない可能性もあるので、労働契約書を交わす際には書面内容に注意すべきである。
面接
外資系の面接の特徴として前職調査(リファレンスチェック)が大体全ての企業で求められる。ただ、実質的に人事部の保身にしかなっておらず、仮に経歴に相違が無くとも入社してみたら能力が低いという事もあるので正直微妙である。コスト面も第三者機関に委託するために1回数十万とバカにならず、利益を出している会社ならいいが、経営が傾いている会社にとっては人の入れ替わりの激しさから費用がかさむだけになってしまう。金融やクレジットカードなどの顧客の人生にかかわる業務なら理解できるが、全ての従業員に行うのは非現実的にしか見えない。加えて、人事部の苦痛になっており彼らも内心平気な訳でもない。
また、就職・転職を行っている側も、書面でのサインを交わさない電話面接による前職調査の話が出たら基本的に拒否する。電話では第三者機関に前職調査を許可した証拠が書面で残らないうえに、どういった形態で行われるかの説明がないまま実施されるケースが多いためである。
やろうがやるまいが、GoogleになるかMotorolaになってしまうか、最後は会社の経営手腕が問われるわけで、ほとんど意味を成していないのに外資系企業は未だに続けているのが現状である。入社後にその人物が果たしてコンプライアンスを順守してくれるかもまた別問題になる。国内企業でも前職調査の有無が業績には直結しておらず、実施していない会社でも非常に多くの利益を出しながら、従業員の満足度の高い会社も少なくはない。
時々、同意を取らずに勝手に行う天然系のバカもいるが、訴えればほぼ勝てるので録音機等はいつでも携帯しておこう。