主人公である霊感青年・奇異太郎が、ユーモラスな仲間達(幽霊などの怪奇)と共に
都会を舞台に、巷に広まっている怪談や都市伝説と関わっていく、一話完結型のユル漫画。
ほかに奇異太郎シリーズとして、奇異太郎少年の妖怪絵日記が存在するが、これは主人公・奇異太郎が少年時代に実家(の離れ)で過ごしていた頃の物語であり、時系列的には少年期【妖怪絵日記】→青年期【霊的な日常】である。妖怪絵日記は霊的な日常のメンバーに語っているという形。
なので今作品の舞台は実家(の離れ)ではなく、都会の曰く付きマンションの一室となっている。
妖怪絵日記よりも先に始まった作品であるが、現在はメインが妖怪絵日記の方に変わり、不定期連載となっている。
2023年1月1日に完結した。
二次創作に関して、サイトより引用
『モルモル亭の二次創作(絵・小説・3次元化その他いろいろ)については、特に制限を設けません。丸まるコピーして影山にお知らせなく全国販売とかいうレベルでなければ、好き勝手やっちゃってくれて大丈夫です。えちぃ絵でも平気。でも影山もこっそり見てるかも?』
登場人物
奇異太郎(人間)
主人公。強い霊感を持つ青年。名字は不明。一応「奇異」「太郎」とも読める。
実家から離れ、曰く付きの為格安で紹介されていたマンションの一室を借り、そこでさまざまな怪奇現象や都市伝説と日常的に関わりながら生活している。
強すぎる霊感を持つため、そういった怪異に対し一切物怖じしない強さを持つ。
少年期の頃よりも力が増しているのか、幽霊や怪異の実体に直接触れられるだけでなく、閉ざされた異空間から自力で脱出口をこじ開けたり、軽いノリで地縛霊の束縛を解いたり、鏡に映った自分が本体と別行動を取ったりなど、既に色々と超人の域に達している。
少年期と違い、女性の怪異に対するセクハラが割と直接的になっており、女の子成分が足りないと体調が優れないなど、色々な意味で少年期より成長を感じさせる。
なお、水鏡で将来の結婚相手を見たらすっきーとメリーを含めて15人ぐらい見えたという。
妖怪絵日記のヒロインたちを足してもその人数には満たないのだが、作者曰く「15人の嫁候補は、語られていないエピソードとかを数えたらそのぐらいいました」とのこと。
最終話にて、後述の理由から住んでいたマンションを退去することになった。その後伝書鳩ならぬ伝書鴉(しかも三本足)からの手紙で何か頼まれごとをされたらしく、二つ隣の町へ行くことになった。
すっきー(隙間女)
ヒロインその1。実質上のメインヒロイン。
部屋の隙間等に身を潜め住人を見つめ恐怖を与える、隙間女という都市伝説が元ネタになっている。
紺色のワンピースを着た、身長程に長い黒髪の女性。こめかみ辺りに髪飾りをつけている。
丁寧語を基本とするが、本作品の突っ込み役のため時折荒い口調になったり、「そうっすねー」等フランクな口調でも会話する。
最初の怪異として第一話から登場したものの、全く驚かない奇異太郎に制裁を加えられた。
以降は、暇つぶしに話し相手になるよう隙間から引きずり出された事をきっかけに、日常的に奇異太郎と関わりを持つようになっている。
隙間ならごく薄い場所(ドアの隙間)にも入り込めるが、それでは住人に気付いてもらえないので、適度な隙間を好んで主にタンスの隙間にもぐりこんでいる。
奇異太郎が破格の値段でマンションの一室を借りられたのは、彼女の噂が広まっていたからである。
自身の異空間を持っていて、隙間の向こうに女の子らしい私室を持っている。そこには窓もドアもなく、隙間を介して行き来できるのは彼女だけである。
実体はなく、二つの鬼火を周りに浮かせ、自身もふわふわ浮くことができるが、そのため物には触れない。
しかし何故か奇異太郎には触られ放題で、もっぱらセクハラ(直ハラ)の対象になっている。
(もっとも、本人も奇異太郎に好意を抱いており、多少の事なら我慢できるとのこと。)
ちなみに、妖怪絵日記の方で登場する影女には、都会に「隙間に入る」友達がいるらしい…。
最終話では一人旅のヤーヤが心配だからと付いて行くことを決め、涙ながら奇異太郎と別れた。
ヤーヤ(赤子の幽霊)
奇異太郎の暮らす一室の隣の部屋に現れていた、赤ん坊の姿をした幽霊。
ヤーヤ、ややすけ、やや等、呼び方が複数ある。
まだうっすら頭髪が生えだした程度の髪の毛とおしゃぶり、そして水色のベビー服を着用している。
見た目は可愛らしい赤ん坊だが、中身はかなりギャップがあり、やたらと大人染みている。
おしゃぶりをタバコのように吸い、煙のかわりにエクトプラズマをふかしている。
歴史を感じさせる落ち着いた雰囲気を持っているが、実はマンションが建つより以前に空襲で命を落とし、その頃から幽霊としてその地に根付いているベテラン霊(本人曰く)である。1階の地縛霊でないのは、爆風で投げ出されて空中で死亡したから。
目を真っ黒にする、皺を増やす、亡霊のように姿を変えるなど、恐怖を演出するバリエーションは豊富。
赤ん坊だけにコラーゲンも豊富らしい。
実は空中に縛られていたヤーヤと霊脈が繋がっていたらしく、それがマンションの支柱代わりになっていたとのこと。その繋がりを奇異太郎が無理やり断ったため、元々緩い地盤に建てられた欠陥マンションだったことも相まってマンションは隣の建物に寄り掛かるように傾いてしまい、奇異太郎たちは退去することになってしまった。
その後奇異太郎に一緒に来るかと聞かれたが、「せっかく浮遊霊になったから探してみたいものがある」と理由で同行を断った。一人旅を覚悟していたようだが、すっきーが同行を申し出たときは「正直ありがたい」と感謝していた。
メリー(メリーさんの電話)
有名な都市伝説であるメリーさん本人。ヒロインその2。
小さな洋風の人形であり、ややすけよりも小さい。
腰までストレートに伸ばした金髪と、むかって右端に髑髏を象った飾りをつけたヘアバンド、ピンク色のドレスに左袖の赤いリボンが特徴的。
自分を捨てた人間という存在を嫌い、以前は壊れて右目を失っており、体の節々にヒビも入っており、人を襲うための鋏を持っていた。
都市伝説どおりに行動し奇異太郎に襲い掛かったが、返り討ちにあい苦手意識をもつ。
その後またしても奇異太郎に関わってしまったが、気絶させられ、目を覚ますと奇異太郎の手によって新品同然の綺麗な姿に直されていた(ついでに鋏も伝説の剣のように改造を施された)。
複雑な心境のまま一度は奇異太郎の前から姿を消すが、奇異太郎の思いを知り、素直に奇異太郎を新たな主と認め新たな生活を送る決意をする。
それ以降は奇異太郎の事を「ご主人様」と呼び、ベタ惚れしている様子である。
よく奇異太郎に着せ替え人形にさせられたり服を消し飛ばされたりと、すっきーと同じくセクハラ被害担当となっている。
最終話では奇異太郎に付いて行くと決めた。
根津 幹男
奇異太郎シリーズに登場する数少ない「人間」の一人。霊的な日常シリーズにのみ登場する。
げっ歯類を思わせる出っ歯とひげを持つ特徴的な顔つきで、「ひひひ」と特徴的な笑い方をする男。迷彩柄の服とバンダナにゴーグルを頭につけ、大きなリュックを背負って奇異太郎の部屋を訪れた。
古物商であり、世界中から様々なガラクタ等を集めては好事家に売っているという。
奇異太郎とは、その扱う商品の大半が曰く付きの物の為、売る前に霊感の強い奇異太郎に鑑定を依頼するという間柄である。時折、二人で色々な怪奇絡みな仕事をしているらしい。
また初登場以来、時々出演しては様々な怪奇・都市伝説がらみの物を送ってくれるなど、間接的に奇異太郎の怪奇ライフを彩ってくれる。
奇異太郎の過去や故郷の事を知っていて、何か思うところがあるような節がある。