「あんたはなぁ…自分が思っているほど賢くは無ぇよ」「バーカ」(アメフト選手時代のチームメイトが彼を最も的確に評した台詞)
概要
cv:金光宣明
製薬会社「藤谷製薬」の法務担当。34歳。身長188cmで体重107kgという大柄でがっしりとした体躯の持ち主。合理主義者であり、そんな自分の正しさを疑わない独善的な性格の持ち主。アメフトをやっていた時期があったが、その他人を顧みない性格と押し付けがましい言動から仲間との関係が上手くいかずに暴力問題を起こした過去を持っている。ちなみにきっかけはスタンドプレイが原因のミスであり、こういう人間は結果を出している内は周囲も大人しいが、上手くいかなくなると一気に周囲が敵に廻る。そして、早乙女達が猿に襲われる原因である薬害事件を隠蔽した実行犯でもある。上記の性格から薬害事件の被害者に対して罪悪感は微塵も抱いていなく、むしろ社会の為に有益な仕事が出来たとそんな自分に酔いしれている。社長亡き後は実質的なリーダーとなり、猿に内通していると考えた者へ拷問を行うが、強引なやり方を好まない宮田達と別行動をとることが多くなった。猿との戦いの最中、長谷川を正当防衛とはいえ攻撃したことから仲違いを起こし、宮田達と完全に決別。氷室と同盟を組みその場を去る。その後、氷室と山岳警備隊を殺したことから自身のモラルが崩壊。それ以降は、自分が生き残るためだけに行動することになる。岩砕山頂上で、成り行きで早乙女達と魔猿退治に貢献する。その後、自分以外の生存者を殺して自分が正しい事を証明する為、早乙女との一騎打ちに挑み、最後はトオルの仲間の田畑を最後の力で殺して、自分の正しさが証明された事に安堵して死亡する。
独善的で必要とあらば他人を害する危険人物なのは確かだが、同時に私心なく皆を救いたいと本気で思っていたのもまた事実である。少なくとも彼がいなければ絶滅していたと思しき場面がいくつかある。
また猿との接触では常に危険もいとわず前線で闘い、たとえばある時は自分を追放し決別を宣言した面々ですら救おうと戦闘に参加しており、作中何度も対立していた早乙女をして最後に安斎なりの正義に対して凄い男だった…という感想を漏らしている。
もっともそんな安斎なりの正義が(彼の責任が全てでないとはいえ)薬害を拡散させ、それが原因となって猿による殺戮が引き起こされたのもまた事実。「合理的に」「大を救うため小を犠牲にすることを躊躇わない」……そんな自分を絶対正義と疑わない危険性は、皮肉にも安斎自身にみずからを『猿に近い』と(内面で対話する相手として猿の姿を借りて)言わせることとなった。
続編である『モンキーピーク the Rock』では直接の出番はないが、引き続き主人公をつとめた早乙女に良くも悪くも大きな影響を与えたのか、彼の内面に語り掛ける形で登場。早乙女にある選択を促すことになる。