概要
幽玄真影流は猿渡哲也氏の漫画TOUGHに登場する古武術である。主人公宮沢熹一の使う灘神影流活殺術とは祖を同じくし、覇生流や灘心陽流とも繋がりがある。
オカルト的な技が多く、下記の朦朧拳など人の錯覚を利用した技も多い。錯覚を見せるためにスピードに特化した使い手が大半である。
技
◆朦朧拳
幽玄真影流の基本的技で、人間の見えてもぼやけている『周辺視野』を利用し、攻撃がすり抜けたように見せたり分身しているようにも見せる技。原理としては対象に凄まじい勢いで突進し相手の間合いに入った瞬間に左右にブレて視界から外れすり抜ける。それも視界の焦点を合わせる事も速度で行う事で相手は消えて見えるように錯覚する技である。
-応用
-霧霞
残像をその場に残す技。相手を残像で引き付けて背後に回るなども可能。暗い場所で最も真価を発揮する。
-四人霞
・霧霞を応用し四人に分身したように見せる。作中で使用できたのは鼬の観山のみ。
◆象塊
自身の体重を操作する技。頭上に乗っても気付かれないほど体重を軽くしたり足場を破壊するほど重くしたりも可能。原理は説明されない。
◆四玉突き
両目・喉仏・睾丸を瞬く間に潰す技。
◆蛇舌拳
顔を残像が出る程のスピードで前に突きだし続け、顔の残像の中から拳が出てくるように見える技。相手からするといきなり変な挙動をし始めたと思ったら拳が飛んでくるため初見だと間違いなく困惑する。
◆低温を利用した立体視
-20以下の環境でしか使えない技。空気の屈折を利用して自身を平面上に見せたりルービックキューブのようにバラバラに見せ間合いを詰めにくくしたりする。なぜこんな限定的な技を作ったのかは不明。
◆幻突
「軽やかさ」「しなやかさ」「力強さ」を全て兼ね備える剛脚「玄腿(モンスター・フット)」の持ち主しか使えない幽玄真影流の奥義。入神の打撃と言われ、両腕を後ろに組んだ状態で踏み込みをすると見えないエネルギーのようなものが腕の付け根あたりから投射され標的を吹き飛ばす。作中で被弾した宮沢熹一は身体を捻って直撃を避けても2m近く吹き飛ばされ障子を突き破っていた。覇生流の風当て身といった大気をぶつける技と違い、この幻突は気の塊を相手にぶつける技と言われているが原理は不明である。
◆陰陽互恨の術
相手の心の隙をついて魂をつなげることによって相手とダメージを共有する。発動するとかけられた相手はまるで鏡を見ているような錯覚に陥る。魂云々に関してはこの技でしか言われていないため武術ではない何かの呪術ではないかと読者からは揶揄されている。
使い手
日下部丈一郎(くさかべじょういちろう)
故人。
拳聖といわれた類いまれなる人格者。玄腿の持ち主で、身動きせずに幻突を連射するといった作中随一の技量を見せている。尊鷹に幽玄真影流を教えた。
金城剣史(かねしろ けんし)
日下部丈一郎の最後の弟子。「ファントム・ジョー」
かつて素手で御子神の四肢を切断し頭皮の一部を剥ぎ、グレード・オルカを握手だけで再起不能にしている。前作の『T.D.K』やハイパーバトルトーナメントでは熹一の試合を観戦していた。鬼龍に幽玄真影流「朦朧拳」で重傷を負わせるなどかなりの使い手であるが功名心が高く幽玄の名を広めるために実力者を再起不能にするなどしていた。
宮沢尊鷹(みやざわそんおう)
丈一郎に弟子入りしていた。詳しくは該当記事を参照。
日下部覚吾(くさかべかくご)
丈一郎の息子。
幽玄死天王
日下部覚吾の4人の弟子。
横山春草(よこやましゅんそう)
別名「疾風の春草(はやてのしゅんそう)」。
詳細は個別記事を参照。
木村大観(きむらたいかん)
巨漢であり「犀の大観(さいのたいかん)」の別名を持つ。
幽玄真影流解散後は市役所職員となって生活をしていた。独身で結婚願望はあるものの奥手。その巨体故にスピードが肝心な朦朧拳を扱えず、冷凍トレーラーを利用し立体視を使った戦闘を行う。他の死天王からは「力だけで戦えば死天王では最強」と評されているものの、本人はその巨体をコンプレックスにしており、戦略を練ろうとしてしまう所が弱点である。
下村武山(しもむら ぶさん)
全身の関節を蛇のように自在に曲げることができる体質で関節技を無効化し、その間合いを詰めるスピードで上半身が伸びたように見える事から「大蛇の武山(おろちのぶさん)」の別名を持つ。関節技を得意とし、上記の体質組み合わせることにより脱出不可能な程の技量を持つ。また、蛇舌拳唯一の使い手であり、この技は彼が編み出したと思われる。
菱田観山(ひしだ かんざん)
小柄な体格と俊敏な動きを持つ軽業師で、「鼬の観山(いたちのかんざん)」の別名を持つ。ブロガー。
そのスピードから朦朧拳の応用技、霧霞の扱いがずば抜けており、四人霞を使い敵を翻弄する幽玄真影流のスタンダードな戦法を得意とする。その小柄な体格から、閉所や足場が少ない場所でも三次元的な戦闘を可能とする。