怪奇ロリータ
かいきろりーた
漫画『イビツ』の登場人物。
夜中のゴミ捨て場に現れる白いロリータファッションの少女。
「圭一」という名前の汚れたぬいぐるみを常に持ち歩いている。
ゴミ捨て場で遭遇した男性を「お兄ちゃん」と呼び、その相手の「妹」になる事に執着している。
表面上は無邪気な態度で接するが、その本性はヒステリックかつ自分本位なメンヘラであり、同時に残虐性も併せ持っている。
気に入らない相手に対しては暴言混じりの口調で罵倒し、時には凶器を駆使して惨殺する等、見た目とは裏腹に腹黒い狂人と言える。
真夜中にロリータファッションの少女がゴミ捨て場に現れて通りかかった男性に「妹、いる?」と質問してきて、その質問に答えた男性の妹になりにくる。
作中ではネットの掲示板に数人の被害者の事例が書き込まれており、質問に答えた男性全員が怪奇ロリータに執拗に付きまとわれて最終的に自殺で命を落としているが、そのほとんどが「いない」と答えた者ばかりで「いる」と答えた者がどうなるかは不明。
冒頭でゴミ捨て場に遭遇した主人公伊藤和樹が怪奇ロリータの質問に対して「いる」と答えたのをキッカケに彼のアパートに押し寄せて付きまとい、更には和樹の妹であるヒカリに対しては「メスブタ」と罵って危害を加えていた。なお、ヒカリは中盤で怪奇ロリータの罠で学校に閉じ込められ、巻き添えで友人や公務員が殺害された挙げ句に自身は怪奇ロリータの捕縛されながら何処かへと連れていかれて行方不明となった。
都市伝説の手がかりとなる精神病院に訪れた和樹が病室で拾った医者の日記には、一家惨殺事件の生き残りであった神戸玲美柰(かんべれみな)が入院していた事、彼女が事件の犯人である兄に虐待されていた事、その兄が両親を殺害した後に自殺した事、玲美柰の特徴が怪奇ロリータと一致している事、担当した田辺という医者が神戸玲美柰を治療の一環で玲美柰を理想の妹として接していた等といったが怪奇ロリータと関連する過去が記されていた。
そして、病院内で怪奇ロリータに襲われた和樹が危機を乗り切るために田辺と同様に怪奇ロリータを「理想の妹」と優しく受け入れ、直後に怪奇ロリータが安堵した様子で姿を消した。
※以下、ネタバレ注意
次はお兄ちゃんが「理想のお兄ちゃん」になる番よ!
実家で目を覚まして全てが終わったと安堵した和樹の前に怪奇ロリータが再び現れ、両親を殺害されて妹も毒牙にかかった事で逆上した和樹に対して上記の台詞を告げてそのまま監禁。
以後、和樹が自分の思い通りに動かないたびに癇癪を起こして「しつけ」と称した虐待で拷問するようになる。
クライマックスでは和樹が隙を見て怪奇ロリータに反撃しようとして失敗に終わり、それと同時に怪奇ロリータが「神戸玲美柰になりすました別人」で一家惨殺事件の加害者とされた玲美柰の兄は今の和樹と同じように怪奇ロリータに虐待された被害者であった事実が判明。本物の神戸玲美柰はおそらくヒカリと同様の末路を辿ったと思われる。
最後はチェーンソーを振りかざしながら「こんなお兄ちゃん もういらない」「圭一の代わりのお友達にしてあげる」と告げて和樹を殺害した。
和樹の死後、ニュースでは何故か「和樹が妹を虐待して両親や関係者を殺害した末に自殺した」と報道され、近所やマスコミが和樹を異常者扱いする等、文字通りの意味で何もかも奪われる末路を辿っていた。
そして、街を徘徊する怪奇ロリータが持っているぬいぐるみを「カズキ」と呼んでいた。
結論から言えば、怪奇ロリータの質問に答えたら必ず死ぬ。
「いない」ではなく「いる」と答えた場合、怪奇ロリータが「妹が『要る』」と解釈して対象の実の妹を抹殺してでも己の望みを叶えようとするため、質問を無視するしか助かる道が無いと言える。
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