概要
未使用で中身自体は新品であるものの、様々な事情で古物(中古)扱いされているもの。
一般に「新古品」という時は、「未使用のまま一度元の販売者ではない誰かの手に渡った物」としてリサイクルショップ(中古屋)、フリーマーケット、オークション(ネットオークションを含む)、フリマサイト・アプリなどの中古市場で、古物として売られているものを指す。
メーカーや卸から仕入れた小売店が未開封未使用のまま販売しているものは、どれだけ古い売れ残りでも全て新品となるため、仮に店側が在庫処分などの目的で独自に定価から安値をつけている場合でも該当しない。
定義としてはやや曖昧な概念で、店舗や業者によって考え方は少しずつ異なるが、おおむね「一度も消費者の手に渡らなかったまま二次販売された物」「未開封もしくは未使用のまま二次販売された物」のことである。
具体例としては
- 一度は卸売業者や小売の店舗に納入されたが、売れ残ったり、メーカーや店が急に廃業して通常のルートで販売できなくなったりといった理由で店で保管された物
- 店で消費者が購入したが、何らかの理由ですぐに店に返品されて、そのまま再度売られなかった物
- 消費者が購入したあと、未開封・未使用のまま手元で保管した物
などが、再度開封されたり使用されたりすることなく、中古市場に出回っていることを指す。
工場や倉庫などで保管されていたものはデッドストックということが多い。またメーカーが自社で保管していた在庫を古物商などに売った場合「メーカー放出品」と呼ばれる。
「新古品」は基本的には一度も使用されていない物を指すが、上述の通りやや曖昧な概念であることから、業者や店舗によっては一般の消費者の手元に渡る前に開封・ごく短期の使用歴があるものも「新古品」と表現している場合がある。
具体例としては
- 動作確認や点検の目的で一度だけ開封・電源投入されたことがある物(特に電子機器など)
- 製造上のエラーや商品運送中の事故などなんらかのトラブルで、外箱や付属品など本体以外の場所に傷や汚れがついてしまった、欠品してしまった物(事故品、アウトレット)
- 店頭で、消費者向けにデモンストレーションとして展示されていた物(展示品)
などが挙げられる。
アウトレットは未使用の型落ち品や購入後一度も使用されずに返品されたものなども含まれており、展示品は一般の消費者が触れることはできない場所に展示されていたような物もあるため、実質的に新古品に該当する場合がある。
マンションなどの不動産に関しては、「売り出された後に誰も入居したことがないが、内見や工事などで人が入ったこと自体はある」という物件を「新古品」と称することがある。
また、日本では、新刊本は「再販制度」によって原則定価での販売となるが、発売から一定期間を経た書籍や雑誌は、出版社が許可していれば小売店側で自由に価格を設定できるようになる。ここで新品価格より値下げされて売られている書籍のことを「ゾッキ本」や「アウトレットブック」「バーゲンブック」などと呼ぶ。
仕入れた書店が自体が販売している場合新古品には本来該当しないが、ゾッキ本専門で仕入れている(古)書店なども存在する。
自動車の新古品(新古車)の場合、ディーラーが自動車メーカーとの契約ノルマを達成するため自社で購入扱いにして車両登録する…という形で、「誰も乗ったことのない中古車」という存在が生まれることがある(整備や試乗などで購入前に他人が乗ることもある)。