概要
江戸川乱歩が『講談倶楽部』1939年1月から12月まで連載していた推理小説。
東京麻布の某所に建てられた城館風の西洋屋敷に住む個人資産家・伊志田一家を執拗に襲う正体不明の殺人犯と、名探偵明智小五郎の戦いを描く。
題名の「暗黒星」とは、全く光を発さず地球に接近したとしても誰にも気づかれない星を表し、被害者や捜査関係者の身近にいながら誰にも存在を悟らせない真犯人を暗喩している。
登場人物
伊志田一郎
伊志田家の長男で、女と見まごう美青年。謎の殺人鬼に襲撃され、明智小五郎に助けを求める。
伊志田綾子
伊志田家の長女で、一郎の姉。華麗な美女。
伊志田鞠子
伊志田家の次女。
伊志田鉄造
伊志田家の当主で、一郎、綾子、鞠子の父。恰幅がよく、口髭を蓄えた紳士。
明智小五郎
ご存じ名探偵。一郎に助けを求められ、事件の解決に乗り出すが思わぬ重傷を負ってしまう・・・・。