概要
大正15年に発表された江戸川乱歩の短編ホラー小説。
発表当時は編集者や読者の賛同は得られなかったものの、自分の作品に厳しいとされていた乱歩もこの作品はお気に入りだったという。
1995年には映画化された。
あらすじ
物語は、京子という女性の夫殺しの事実を回想する形で始まる。
当時19歳の京子は、知人の紹介で門野という名士に嫁入りする。
門野に愛情を注がれ、有頂天になっていた京子だが、次第に門野の愛が偽りのものと気づく。
夫の浮気を疑った京子は、門野が密会の場としている倉の二階に忍び込み、現場を押さえようとしたが何処にも人がいた痕跡はなかった。
しかし密会の相手は確かに存在していた。それは長持の中にある京人形だったのだ…