概要
天罡星三十六星の天富星の生まれ変わりで、序列第十一位の好漢。
あだ名は「撲天鵰(はくてんちょう)」。「天を打つ鷲」を意味し、これは点鋼槍(柄が鋼で出来た槍)の名手で、百歩離れた所から飛刀を投げて人を倒せる腕前を持つほどの武芸に由来する。
鄆州独竜岡三家荘の一つ・李家荘という村の長者。部下に杜興がいる。扈三娘とは姻戚関係にあたる。
独竜岡は梁山泊など山賊の住処にほど近く、それに対抗するために隣接する祝家荘、扈家荘と同盟を結んで有事が起こったら助けあう約束をしていた。だが、後に祝家と諍いが起きてしまい、それが発端で起きた梁山泊の戦いに巻き込まれる形で半ば強引に梁山泊入りしてしまう。
来歴
ある日、杜興の旧知である楊雄・石秀が李家荘にやって来た。楊雄達はここに来る前に彼らの仲間である時遷が祝家荘で鬨を告げる鶏を盗んで食べたことで捕らわれたため、李応に仲介を打診を願いに来訪した。これに応じた李応は、祝家荘の長者・祝朝奉に手紙を出すも、祝朝奉の息子達によって悉く拒否され、今度は自ら赴いて直談判するが矢を射かけられて怪我を負ってしまい、屋敷に逃げて行った。
しばらくして楊雄と石秀は梁山泊に向かって援軍を要請した。これがきっかけで梁山泊と祝家荘の抗争が勃発するが、李応は山賊の仲間だと思われることを恐れて宋江が屋敷にやって来ても怪我を理由に面会を拒否して静観を保った。
戦いは梁山泊が勝利し祝家荘は滅ぼされたが、ほどなくして州知事が捕り手と共に現れ、梁山泊に内通したとして李応は杜興とともに逮捕された。だが、連行中に梁山泊軍が現れて知事らを追い払い、そのまま梁山泊に連れて行かれた。実は、これは李応達を梁山泊に加えようとする呉用の計略(知事一行は梁山泊一味である裴宣らが変装したもの)で、李応が連れ出されている間に屋敷は焼かれ、一族郎党や私財も既に梁山泊に連れ込まれたため、李応達はしぶしぶながら梁山泊に身を寄せた。
入山後は金銭糧秣の管理責任者という高い役職に着き、戦場でも武芸の腕を披露するより、後方支援を任されることが多かった。