概要
1988年1月21日から3月24日まで、TBS系列局で放送された。
「幽幻道士」シリーズの日本での人気を受け、TBSが出資して台湾で製作されたテレビドラマ。
ただし、日本でしか放送されないことを前提に作られたため、日本語吹き替え版しか存在しない。
また、前番組「ヨーシいくぞ!」の視聴率不振によるピンチヒッターの色合いもあった。
コメディ調のストーリーとなっている、チビクロの家族が存在する、トンボとスイカ頭が同時期にいるなど、映画版とは設定・キャラクターが一部異なる。
登場人物
テンテン(恬恬)
演:劉 致好(リュウ・ツーイー)
吹替:高田由美
主人公。道士見習いの少女。4人グループの紅一点。気が強くお転婆だが、心優しく、フィフィーみたいに敵であろうとも話がわかる相手には気さくに接する。フィフィーはそんな彼女の優しさに惹かれて、コウモリ道士を寝返ってテンテンたちを助けた。
スイカ頭
演:劉至翰(リュウ・ツーハン)
吹替:櫻井敏治
道士見習いの少年。性格はお調子者。体型は太っちょで、外見のとおり食いしん坊。頼りない3枚目だが、グループのムードメーカー。
ちなみにスイカ頭役劉至翰はテンテン役シャドウ・リュウの実兄。
演:陳子強(チェン・ツーチャン)
吹替:坂本千夏
道士見習いの少年。杜平の息子。カンフーがうまく、4人のリーダー的存在。父杜平のはすでに死んでおり、母カエデと二人暮らし。とても母思い。賞金めあてにキョンシー退治に出かけて、キョンシーに噛まれてキョンシー化しかけたり、父の敵討ちをしようとして、返り討ちにあって捕まってしまい、手下にされてしまうなど、無鉄砲な行動で危機に陥ることも多々ある。
トンボ
演:鄭同村(チェン・トンツン)
吹替:羽村京子
道士見習いの少年。チビクロとタッグを組んでスイカ頭やテンテンにいたずらすることもしばしば。身軽でとんぼ返りが得意。マダムに対して「可愛い顔してすごい性格。クソババア」と言うなど、口数の多い性格。
金おじいさん
演:金塗(キントー)
吹替:宮内幸平
テンテンたちの師匠。道士としても一流だが、「道士は質素であるべき」という教えを守って慎ましやかに暮らしているため貧乏。
ベビーキョンシー
演:洪竟原(ホン・イーユェン)
吹替:あきやまるな
謎の子供のキョンシー。他のキョンシーと違い、意思疎通ができ、話すこともできる。またキョンシー化しかけたチビクロを止めたりするなど、独自の術も使う不思議な存在。またテンテンたちがコウモリ道士に捕まった時は、カエデたちに手がかりを教えたりして助ける手伝いをした。「おうちにかえろ」が口癖。
浩雲(こううん)
演:顧冠忠
吹替:石丸博也
若くして数々の高位法術を会得している道士。得意武器は銭剣(ぜにけん)。杜平の成仏のためにカエデと協力している様子を不倫と誤解しているチビクロに毛嫌いされている。カエデからも頼りにされながらも「変な顔」、ベビーキョンシーには「苦手」と言われていて、自身の自信家でお調子者な性格もあって、皆からの人望はやや薄い。
カエデ
演:狄嘉
吹替:滝沢久美子
チビクロの母。淑やかな美女だが、内心で「決まったわ」と言うなど、お調子者な面もある。やんちゃなチビクロに手を焼いているが、チビクロの身に何かあれば献身的に付き添うなど、誰よりも安否を気遣っている。
コウモリ道士との最終決戦では、金おじいさんたちと行動を共にし、闇の特殊霊魂として操られていたチビクロを戦闘の末に救出した。
杜平(とへい)
演:不明
吹替:不明
チビクロの父親。出稼ぎのために家を離れており、その仕事先でコウモリ道士がバンボロキョンシーを育成していたことを知り、阻止しようとするが、返り討ちにあって殺された。
長三道士
演:尚智(シャン・ヂー)
吹替:緒方賢一
幽幻道士。出稼ぎ先や旅先などで死亡した人たちを法術によってキョンシーに仕立て上げ、それぞれの故郷に送り届けるため先達となって長旅を続ける道長の職務を専門としている。連れてきた海賊キョンシーを、テンテンたちに連れ去らわれてしまった。
銭高道士(ぜにだかどうし)
演:張福枝
吹替:広瀬正志
カゲカゲ山のキョンシー退治にやって来た道士。名前のとおり、道士の禁忌を破って己の法術を金儲けのために用いているなど強欲な性格。浩雲と互角に渡り合うほどの腕前の持ち主。
デブ隊長
演:不明
吹替:不明
本名は不明。階級は【小隊長】だが、部下には【大隊長】と呼ばせるようにしている。マダムこと司令官第三夫人には頭が上がらない。キョンシーに噛まれてしまうが、金おじいさんに助けられ、それ以降はテンテンたちを頼りにするようになる。海賊キョンシーとフィフィーの葬儀にも参列して、逆さづりを免れたことに感謝を述べていた。
マダム
演:不明
吹替:不明
司令官第三夫人。本名は不明で、デブ隊長からは【マダム】と呼ばれている。彼女の飼い犬ラッキーをテンテンたちが誘拐したことで(犬の生き血が必要だったため)、テンテンたちとデブ隊長が知り合うきっかけとなった。ラッキーを誘拐したテンテンたちを「焼き殺してしまいなさい」とデブ隊長に命じるなど、トンボ曰く【可愛い顔してすごい性格】。キョンシーに襲われてかまれてしまう。
アスカ
演:不明
吹替:不明
マダムの侍女。キョンシーに襲われて死亡。
仙人ジジ助
演:蘇元峰(シェン・ユェンフォン)
吹替:田口昮
下界から遠く離れた『風の谷』に住む仙人。小柄な体格の老人で、子どものような髪型や服装をしているが、法術、体術共に並外れた力を持つ。
金おじいさんの要請を受けて、コウモリ道士退治に協力する。
ちなみに、道教においては仙人は道士よりも格上の存在であるが、金おじいさんとは親しい間柄であることが描かれていて、ため口で話すなど常に対等の立場で接している。
カゲカゲ山のキョンシー
演:不明
吹替:不明
カゲカゲ山に巣食い、人々に害を及ぼす狂暴キョンシー。500元の賞金を懸けられており、テンテンたちはそれを見てキョンシー退治に出かけてしまう。
海賊キョンシー
演:不明
吹替:菅原淳一
長三道士の導きによって金おじいさんの義荘にやって来たキョンシーの一体。
生前は人殺しすらやってのけた海賊の頭領であり、同時にカンフーの達人でもあった。彼を気に入ったスイカ頭の手で「キョンシー改心の術」を施されるが失敗。次いでテンテンを中心に行われた儀式もスイカ頭のミスによって失敗。ついに凶暴化してしまったが、窮地に現れたベビーキョンシーの力を借りてようやく法術が成功し、テンテンたちの仲間となる。左足が木の棒で作られた義足であったために、ことある毎に折れていたが、スイカ頭のアイデアによって鋼鉄製の義足を装着した。
蛸壺フィフィー
演:褚修身(安安)
吹替:真柴摩利
コウモリ道士に作られた特殊霊魂。特殊霊魂でありながら自我を持っていて、会話が可能。巨大な蛸壺から手足を自在に出し入れできる。テンテンの言葉に戦うのをやめたり、テンテンと出会ってからは、彼女に惹かれて協力をしてくれるようになる。捕まったテンテンたちのために毒を弱くする薬を渡したり、金おじいさんにテンテンたちが捕まっている場所を教えたりするなど尽力して、最後はバンボロキョンシーを道連れに壮絶な最期を遂げた。
コウモリ道士
演:朱克榮(ジュ・クェアロン)
吹替:笹岡繁蔵
悪の道士で闇の法術の使い手。大黒山の洞窟を根城にしている。闇の法術でバンボロキョンシーとフィフィーを生み出した。とある一件から杜平を殺害した。
バンボロキョンシーを用いて悪行を働いていたが、フィフィーの裏切りで破壊されてしまう。しかし、最大の闇の法術『陰魂三体』を用いてパワーアップし、連れ去ったチビクロを闇の特殊霊魂に変えて、バンボロキョンシーの破片をグレートバンボロキョンシーに復活させた。だが、金おじいさんたちとの最終決戦に敗れて倒された。
余談
台湾映画の一つである新・桃太郎では本作に出演した俳優が大勢出演しており、吹替も同じ声優が担当している。