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概要

『検察側の罪人』は、雫井脩介による日本の小説。

『別册文藝春秋』の2012年9月号(301号)から2013年9月号(307号)まで連載され、2013年9月に文藝春秋から単行本が刊行された。

「時効」をストーリーの着想の端緒とし、検事を作品の主題として選んでおり、取材には元検察官の郷原信郎が協力している。


2013年の『週刊文春ミステリーベスト10』の国内部門4位に選出されたほか、宝島社の『このミステリーがすごい! 2014年版』の8位となった。文芸評論家の郷原宏は、現行の司法制度の問題点を描いた「すぐれて社会的な司法ミステリー」であると評価している。


2018年に映画化。主演は、木村拓哉


あらすじ

東京地検の検事・最上毅と同じ刑事部に、検察教官時代の教え子だった沖野啓一郎が配属されてきた。沖野は老夫婦刺殺事件の容疑者・松倉重生を取り調べることとなる。しかし、松倉は、かつて最上が関わった女子中学生殺人事件の関係者でもあった。


2012年4月、大田区蒲田で刺殺事件が起きる。被害者は74歳の都築和直と71歳の晃子という2人暮らしの老夫婦である。都築夫婦は、年金のほかにアパート貸しの家賃収入で生活をしていたが、競馬が趣味の都築和直は、競馬仲間たちに数万から数十万円程度の金貸しをしていた。沖野は最上の指導のもと、この捜査本部事件を担当することになる。捜査に立ち会った最上は、複数の容疑者リストの中から一人の容疑者の名前に気づき驚愕する。松倉重生。それは、すでに時効となった23年前の根津で起きた女子中学生殺人事件の有力容疑者と当時目されていた人物だった。殺された少女・久住由季(当時中学2年生)は、最上が大学時代に親しくしていた寮の管理人夫婦の一人娘であった。しかし、結局は証拠不十分で逮捕には至らず、事件は迷宮入りしたまま時効を迎えていた。


松倉は、リサイクルショップでアルバイトをする、現在63歳の風采のあがらない男であった。最上は、松倉が今回の蒲田の刺殺事件の犯人であるならば、今度こそ松倉に罪の償いをさせ、法の裁きを受けさせなければならないと決意する。別件で逮捕された松倉は取り調べ中に、すでに時効の成立した23年前の根津の事件についてはあっさり自身の犯行を自供したものの、今回の事件に関しては一貫して犯行を否認し続ける。捜査が進むにつれ、新たな有力容疑者(弓岡嗣郎)が浮上するなど、松倉犯人説は難しくなっていくが、最上はあくまでも松倉にこだわり続ける。一方、直接、松倉の取り調べを担当する沖野は、最上が執着する事情を知らず、彼が指示する捜査方針に疑問を持ち始める。


登場人物

東京地検の検事。自らの知識、経験から自身の正義を絶対視する。


最上の部下である新人検事。最上の正義に対して疑問を持ち始め、徐々に反抗的な態度を取るようになる。


老夫婦刺殺事件の容疑者。23年前に起きた女子中学生殺人事件でも犯人ではないかと疑われていた。63歳。リサイクルショップでアルバイトをしている。


「無罪職人」「白馬の騎士」などの異名で知られるベテラン弁護士。人権派の弁護士の第一人者。マスコミをうまく利用して捜査のずさんさを訴えることで世論の流れを変え、裁判の勝利を勝ち取る戦法。芸能人や政治家の弁護人もつとめるスター弁護士であり、小田島のあこがれの対象。松倉の弁護団に加わる。


老夫婦刺殺事件の裁判で松倉重生被告の国選弁護士となる。弁護士になって3年目で、浅草橋にて小田島法律事務所を経営。妻の昌子は事務所の事務員としてともに働く。幼い子どもが1人いる。


闇社会の取引に関わるブローカー。最上に依頼され、拳銃マカロフを手配する


沖野啓一郎の立会事務官。沖野より3歳年下。優秀な事務官で、沖野は信頼を寄せる。のちに、沖野と恋仲になる。


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雫井脩介

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