ピクシブ百科事典は2024年5月28日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

楊康

ようこうあるいはかんがんこう

楊康は金庸の武侠小説『射鵰英雄伝』の登場人物。主人公・郭靖の義兄弟でもあり宿敵でもある。続編『神鵰侠侶』の主人公・楊過の父親でもある。
目次 [非表示]

概要編集

漢族として生まれながらも複雑怪奇な運命によって最終的には異民族である女真族に付き敵対した売国奴として悲惨な末路を迎えた人物。眉目秀麗で圧倒的な武術の腕前を持ち、序盤は郭靖を圧倒していたが、やがて急成長を遂げた郭靖の前に及ばなくなり、やがて知略悪計をもって立ちはだかることとなる。彼の所業によって武林は大いに荒廃し、それは息子の楊過の人生を苦難に染める元凶ともなった。


その人生編集

楊鉄心(穆易)と包惜弱の子だが、売国奴段天徳の手引きでの皇子完顔洪烈に村が攻め滅ぼされ、両親は生き別れてしまい、当時楊康を身ごもっていた母はそのまま完顔洪烈の妻となり、楊康は金の皇族・完顔康として育つこととなる。

長じて眉目秀麗・聡明・文武両道に育ち、全真教丘処機の弟子として腕を磨く反面、富貴に塗れ溺愛されて育ったために皇族としての自尊心が強く傲岸不遜な人間になってしまった。その為に燕京で婿取り試合をしていた穆念慈に戯れに挑んで圧勝の末に公然と侮辱したために、予てから楊康を持て余していた師匠・丘処機はやがて行われた郭靖との試合において今までの所業を暴露した末にこの当時は圧倒していた楊康に戦わずして負けと宣告した。そしてその真の出自である漢人の楊鉄心と包惜弱の子であること、今に至った経緯を話す。さらには穆念慈の養父の穆易が自身の実の父であり、やがて母と共に逃走の末に自害することとなるなど、これまでのアイデンティティーが崩壊する場面に遭遇してしまう。これによって元凶の一つであった段天徳を殺害し、これからは漢人・楊康として生きることを告げ、郭靖と義兄弟となった。

しかし自身を育ててくれた完顔洪烈への情、王族としての自尊心などの葛藤の末に結果的には金に戻り、郭靖らとは敵対。やがて梅超風から習い会得した九陰白骨爪で猛威を奮い、さらには黄蓉が持っていた丐幇の幇主の証である打狗棒を偶然入手してからは大いに悪用。西毒・欧陽鋒と結託して郭靖の師匠格だった江南七怪たちを数名殺害、その罪を黄蓉の父・黄薬師に擦り付ける等の悪行を働くも、最期は毒によって生涯を終えた。

なお、楊康は穆念慈と関係こそもったものの、穆念慈からは見限られていた。しかし、図らずもその血脈は残ることとなった…。


総評編集

郭靖と合わせ鏡の存在であり、敵はおろか味方や身内からも愚鈍だ間抜けだと抜けているところを指摘されながらも自身の複雑な運命に翻弄されながらも急成長を遂げていった郭靖に対し、眉目秀麗で聡明な文武両道ながらも傲岸不遜な金の王族として育ってしまい、漢族としての出自を知りながらも金の王族としての富貴と自尊心などから最終的には漢族に対しての売国奴として終わってしまった楊康(郭靖はモンゴルのチンギス・ハーンの庇護下で育ち、途中まではチンギス・ハーンに助力し許嫁コジン姫もいたが、最終的には決別を表明している。以後も郭靖個人に対してはコジンが便宜を図ったり、特例としてチンギスハーンの最期を看取ることを許されている)は色々と対照的に描かれている。

連載版編集

なお、上記のものは書籍となり現在に伝わるものである。連載版では大筋では同じだが、楊康の最期及びその息子・楊過の出自に関する様々な部分が異なっている。

楊過の母は連載版では郭靖に助けられて思いを寄せた蛇獲りを生業とした秦南琴であり、楊康は穆念慈を得ることができなかったことへの怒りや郭靖への当てつけ同然に秦南琴を強姦して、結果的に楊過が生まれることとなる。この一件の後に秦南琴は毒蛇を駆使して楊康を襲撃して毒殺、毒に苦しむ楊康の前で武術の秘伝書などを破り捨てるという報復を行っている。その後、楊過を守るために毒蛇に襲われて秦南琴は死亡している。

このストーリーの変更に関しては中華圏ではいろいろとネタにされているようだ。

関連記事

親記事

金庸 きんよう

兄弟記事

pixivに投稿されたイラスト pixivでイラストを見る

pixivに投稿された小説 pixivで小説を見る

このタグがついたpixivの作品閲覧データ 総閲覧数: 44909

コメント

問題を報告

0/3000

編集可能な部分に問題がある場合について 記事本文などに問題がある場合、ご自身での調整をお願いいたします。
問題のある行動が繰り返される場合、対象ユーザーのプロフィールページ内の「問題を報告」からご連絡ください。

報告を送信しました

見出し単位で編集できるようになりました