概要
「死なぬものなら子一人」とは、ことわざの一つ。決して死なないと決まっていれば、子供は跡継ぎ一人で十分であるという意味。
より正確には「死なぬものなら子一人、減らぬものなら金百両」と続く。死なないのであれば子どもは一人いればよい、減らないならば、金は百両あればたくさんであるということ。
実際のところは
江戸時代の武家は家督は基本的に長男が受け継ぐため、次男以下は「冷飯食い」と呼ばれた。(商家なども基本的には家業は長男が受け継ぐ。)
ゆえに次男以下は他の家に婿入りするか、家を出るかしないといけない。
当然次男以下が不満を持ち、長男を貶めるかなどしてお家騒動を引き起こす事もある。
平和な江戸時代はむしろ侍が余っている時代であったため、要らぬ兄弟間の争いを恐れた親は「死なないと分かっていれば、子どもは一人でいいのになぁ」という願望を抱いたものである。
(もっとも、病気や事故で大切な一粒種の子を失う可能性もあるし、「一人の子」が女子であれば婿を取る必要があるため、実際のところはきょうだいは数人いた方がいいだろう。)