概要
問題から得られる事実だけに囚われず解答への発想を生み出す思考法『水平思考』を活用したゲーム。
『シチュエーションパズル』『yes/noパズル』とも言う。
ゲームは数人のグループに分かれて行い、問題を提示する『出題者(1人)』が文章形式で述べる問題を『解答者(数人)』が解くという形式になっている。
ただし最大の特徴として、出題者の出す問題は文章を読むだけでは解けない為、これに対し解答者は『はい』か『いいえ』で答えられる質問を出題者に出し、その答えをヒントに問題を解いていくことになる。
核心的な質問が出来なかったり、質問に回数制限が設けられるといったルールが追加されることもある。
クイズとは異なり、正解が複数存在していたり、問題文に叙述トリック的なひっかけが仕込まれているなどのパターンが見られ、いかに出題者の思考を読んで適切な質問をするかが早期解決の鍵となる。
例題
出題者「ある男がバーに入ってきて、バーテンダーに水を一杯注文した。
バーテンダーは銃を取り出し、男に狙いをつけて撃鉄を上げた。
男は「ありがとう」と言って帰って行った。一体なぜ?」
これだけでは意味不明である。そこで解答者の質問が正解への道標となる。
解答者「バーテンダーは男の声を聞き取ることができたか?」
出題者「はい」
この質問から、耳の聞こえないバーテンダーが何かを誤認した可能性が消える。
解答者「バーテンダーはなにかに怒っていたか?」
出題者「いいえ」
この質問から、バーテンダーと客にトラブルがあった可能性が消える。
解答者「彼らは以前から顔見知りだったか?」
出題者「いいえ」
バーテンダーが友人への冗談として銃を向けた可能性が消える。
解答者「男が『ありがとう』と言ったのは皮肉だったか?」
出題者「いいえ」
男は心の底からバーテンダーに感謝していた事が分かる。
上記の会話から、バーテンダーが男に銃を向けたのはトラブルでも悪ふざけでもないが、結果として男が感謝するオチになった事が分かる。
ここからは『銃を向けたきっかけは水を頼んだ事』『バーなのに男は水を頼んだ』という事実に注目をしてみる。
解答者「男が水を頼んだとき、乱暴な口調だったか?」
出題者「いいえ」
口調に問題があった可能性が消えたかに思えるが、ここでは『乱暴な口調だった』という回答が消えたに過ぎない。
そこで質問の種類を変えてみる。
解答者「男が水を頼んだとき、変な頼み方だったか?」
出題者「はい」
男はバーに行って水を頼んだ。その時の声が変だった。バーテンダーは男に銃を向け、男は感謝をした。
この事実と上記の質疑応答から、この問題の答えは、
『男はシャックリに悩まされていたので水を飲み息を止めて治そうと思った。注文の声を聞いたバーテンダーは手っ取り早い手段として銃を向けて驚かせシャックリを止めた。だから男は感謝した』
という事が分かるのである。
このように『無限の解答が出来てしまう問題に対し、質疑応答で得たヒントで正解のパターンを狭めて真実へ近づく』事が水平思考パズルなのだ。
会話形式でスレが進んでいく2ちゃんねるなどの掲示板でもこのゲームのスレが立つことがある他、『ウミガメのスープ』など、そこから出された問題が書籍化された事もある。
関連タグ
スローンとマクヘールの謎の物語:水平思考パズルを取りそろえたDSのゲーム。
クイズ法人カプリティオ:水平思考パズルのカードゲームを製作・販売〈2024年1月現在第四弾まで出ている〉している。YouTubeチャンネルでは一般応募した視聴者手作りの問題を解いている。余談だが、そのカードゲームをプレイした動画をアップしたつながりからスフィアのメンバーがカプリティオの動画の水平思考パズル(ウミガメのスープ)のルール読みをしている。
Fate/GrandOrder:とあるイベントにてストーリー中で水平思考パズルをやる。