概要
江戸川乱歩異人館は、山口譲司による日本の漫画。
江戸川乱歩の諸作品を漫画化した中短編集。全13巻。
いわゆる、明智小五郎を探偵役としたミステリーとしての一面よりも、異常性や猟奇性を垣間見せる江戸川乱歩作品の犯人たちの描写に重きを置いた、サイコサスペンス的な作品となっている。
江戸川乱歩と明智小五郎を主な主人公として、様々なエピソードに登場させている形式をとっている。
作風
江戸川乱歩作品の中短編を漫画化した、いわゆるコミカライズ作品だが、純粋な江戸川乱歩作品のコミカライズという訳ではなく、細部にはかなり山口譲司氏によるアレンジが目立ち、話によってはオチが変更されている話もある。
山口譲司氏自身、エロコメ系の漫画を描くことが多いため、かなりエロ系の描写が目立つ作品になっている一方で、グロ描写にもかなり力を入れた作品になっており、エロとグロの対比による非常に強烈な作品になっている。
元々、江戸川乱歩の作品自体、耽美系と称されるほど人間の変態性や異常性、猟奇性に着目した作品を多数執筆した小説家なので、山口氏の画力とアレンジの合わさったミステリー描写・怪奇描写はかなり秀逸なものになっている。
また、明智小五郎についても、後期のエピソードにみられる正義の味方、スーパーヒーロー的な役割ではなく、初期の頃の、犯罪者への知的好奇心をベースに動く、一種の怪人として描いている点も特徴。