概要ッッ!
CV…江川央生(ゲーム『餓狼伝 Breakblow』、『餓狼伝 Breakblow Fist or Twist」)
泣き虫(クライベイビー)サクラとは、かつてアメリカ地下プロレス界に君臨していた最強の王者。若かりし日のグレート巽が命を賭して戦った屈指の強敵であり、その怪物じみた能力と怪人としか言いようのない破綻した人格はグレート巽を心の底から震え上がらせた。
夢枕獏の原作小説には登場しない板垣恵介のオリジナルキャラクターであり、グレート巽の修業時代のトリを飾る難敵として創作された。
グレート巽にとっても、そして読者にとっても忘れがたい名キャラクターである。
人物ッッ!
2メートル近い巨体を鍛え抜かれた筋肉で包みこんだ全盲のプロレスラー。年齢は50がらみの初老と思われるが、肉体は全盛期そのものである。普段はサングラスをかけて目元を隠しているが、実は眼球を丸ごと喪失しており、眼窩がくっぽりと凹んだ異様な状態になっている。
筋力は何と20人力。そして視力を失った代わりに聴覚・嗅覚・触覚・味覚が超能力と呼べるほどに発達している。このため目で見る以上に対戦相手を”視る”事が出来、相手の肉体情報を身長や体重はおろか筋肉や内臓、果ては人種に至るまで把握して戦うことが出来る。研ぎ澄まされた感性と幅広い知識を習得しており、嗅覚と触覚を駆使することで精巧な絵画すら描くことが出来るなど、もはや目で見る事以外なら何でも出来ると言っても過言では無い才人である。
この超人的な能力もさることながら、サクラの異常性はその精神に現れている。丁寧な口調とは裏腹に終始人を食ったような言動挙動で周囲を翻弄し、屈折した性癖と幼児性すら感じさせる剥き出しの狂暴さで対戦相手を震え上がらせる凶人である。情け容赦というものがなく、陵辱と呼べるほどの暴力で人間を嬲れる残虐なサディスト。
彼の望みはただ一つ、瞳を失ってしまったことで不可能となった、泣くことである。
過去ッッ!
幼少の頃は母と二人で貧しくも人並みに幸せな生活を送っていた。ところがある日、偶然路上で出会った大金持ちが母親と交際を始めたことでサクラの生活は一変する。母の恋人となった大金持ちの男は、爽やかな笑顔とは裏腹に全てが一方的な男であり、サクラの母に高価なプレゼントを贈り続けるばかりで母からは何も受け取らないという異常な交際を続けた。サクラの母は恋人に振り回され続け、最期は使い切れないほどの大金と豪邸を贈られた末に一方的に捨てられてしまった。錯乱した母親は大金を前に無邪気に喜ぶサクラの両目を潰してしまい、己の所行に愕然とした末に生気を失ってしまった。母がこのままでは壊れてしまうと悟ったサクラは、母の前で自分の元気な姿を見せ続けることを決意。
やがてサクラは母の前でひたすらにトレーニングを見せ続ける生活を何十年も送ることになった。そして愛する母が老齢となって天に召されたとき、サクラの肉体は既に人間の領域を越えていた。
サクラが求める「泣きたい」という願いは、母から得られなかった愛情への渇望や、母を支えるために犠牲にしてきた自分の人生への救済願望が詰まった切なるモノなのである。
台詞集ッッ!
「なにかを排泄するときは、すべからく気持ちのいいものだ」
「泣けぬことは・・・哭くより悲しい」
「君達は怠慢すぎるのです。目が見えるという現実に目がくらみ、盲目の私よりもものが見えていない」
「ウォーケンッッタツミはエクセレントだ!哭ける!!!今夜は哭けるッわたしは今夜大声で哭くぞッッ!!」
「君にこの眼鏡を捧げたかった。君に・・・プレゼント・・・したかったのにィィ!!!」
「愛もある、哀しみもある・・・しかし陵辱がないでしょッッッ!!」
「見つけたーーーーーーーーーーーーーーーーー」
「本当に人がいいんだな君は」
「タツミ、君の手が温かい」