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概要編集

『モノノ怪』の登場人物。

CV:中尾隆聖

廻舟・そらりす丸の乗客で、徳を積んだ五大寺の高僧の男性。花の模様が描かれた紫色の僧服を着用している。様々な怪異を前にも泰然自若としている。弟子に菖源がいる。


人物編集

船が龍の三角に迷い込んでアヤカシに襲われた際は、薬売りに協力しながら破邪の呪文を唱え、菖源と共に船を守っていた。しかし菖源によって、羅針盤を狂わせて船を龍の三角に迷い込ませた張本人であることが明かされる。

本来は他の乗客を巻き込むつもりはなかったが、ある目的のために危険を冒してでも、龍の三角に入ることを望んでいた。


過去編集

元は龍の三角の近くにある小島に生まれ、両親を早くから海難事故で亡くし、妹のお庸と共に暮らしており、お庸とは決して許されない想い合う間柄であった。15歳の頃に仏門に入って修行に励み、数年後に海難事故が続く近海のアヤカシを鎮める人身御供に選ばれるものの、お庸が代わりに人身御供を名乗り出たために命を取り留める。お庸が身代わりになったことを悲しみ、僧侶になったあとも鎮魂を唱え続けたと語っていたが…


真相編集

実は上述の経緯は殆どが偽り、その本心はお庸のことを愛してもおらず、身代わりにして生き残れたことを喜んでいた上に身代わりとなると言ったお庸を内心では馬鹿にする醜悪な人物であり、僧侶になったのも、出世していい暮らしをしたいという欲望を叶えるためであった。しかし、お庸から兄妹愛以上の好意を寄せられているのには気づいおらず、最後にお庸から自身への純粋な想いを告白されると同時に自分を庇って死んだことで、誰かに愛される喜びと、自らの心の醜さを悟る。これ以降、死んだお庸に恨まれているのではないかという恐怖心と己の醜い本心を隠したいという情念に苛まれると同時に、自分の心の醜い部分を恐れるようになり、無自覚に己の半身を切り離した末に半身はモノノ怪と化してしまった。



後悔と自責の果てに編集

薬売りは源慧の真を解き明かし、そして形を現した海坊主と対峙した際にモノノ怪の理は源慧が隠したかった己の本心であり、モノノ怪を斬れば、その本心が源慧の中に戻ることを告げた上でモノノ怪を斬っても良いかと問い、退魔の剣によって真の己の過去と本心を回想させられ、妹を身代わりにしてまで生き残り喜ぶ己の醜さと浅はかさ、お庸からの純粋な愛を告げられことで愛されることの喜びを知った過去を思い出し、己の醜い本心を受け止める決心をすると薬売りに「斬ってくだされ」と頼み、それを承知した薬売りは退魔の剣を解き放ち、海坊主を斬り祓い、源慧は数十年の呪縛から解放されたのだった。


そして、崩れ行く虚ろ舟からはお庸の魂らしきものが解放され、横たわる源慧に寄り添うようにして消えていき、本来の己と一つとなったことで、本来の美しい容姿となって眠る源慧の耳に「兄様」という懐かしく優しげな声が響き…


お庸…?


そう穏やかな表情で源慧は妹の名を呟くのであった…。

















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