概要
「この世に怖いものなど 俺にはない」
CV:阪口大助
江戸へ向かう客船「そらりす丸」の乗客の一人。腰に二本の刀を携えた怪しげな侍。
同じく乗船していた薬売りらと共に「竜の三角」と呼ばれる怪の海域に入ることになる。
容姿
海藻のようにうねった黒い長髪の隙間から大きく開いた目を覗かせた不気味な雰囲気の青年。
衣装は紫色の着流しで、両頬や首筋をはじめ全身に生々しい刀傷がある。
人物
無口だが薬売りに出会った当初から退魔の剣には強い興味を示し、剣が鞘から抜かれてその力を発揮する瞬間を待ち望んでいた。実は過去に100人以上の人を斬ってきた人斬りであり、海座頭の問いかけには「この世に怖いものはない」と偽りの回答をしたが、本心では今まで斬ってきた人々からの怨念に恐怖していた。海座頭に過去に斬り殺した人々の亡霊に襲われる幻覚を見せられて恐怖し、九字兼定を折られて気絶した。また、幻覚を見せられた際には佐々木に斬られた者の幻影の中には老若男女問わずに多くの者が現れ、その者達の言動からは辻斬りによって殺された者や佐々木を様付けで呼び想いを寄せていたと思しき女性の姿もあることから、人を斬る快楽に取り憑かれた愚かで哀れな人物が佐々木の本質であると思われる。
新たな因果と縁
源慧の半身たるモノノ怪・海坊主は薬売りによって斬り祓われ、全てが終わった。その後、佐々木は折れた愛刀の九字兼定に「今まで、ありがとう」と告げた瞬間に九字兼定は消滅し、それと同時にかつての源慧同様に右目に異変が起こり、その異変に苦しみながらも佐々木は不気味な笑みを浮べながら「絶対に、忘れないよ」と言葉を告げるのだった…。
数多の人を辻斬りなどで殺めながらも、その罪に怯え逃れようとした佐々木にも当然深い因果と強い情念はあり、それらに引き寄せられたアヤカシに取り憑かれ、新たなモノノ怪を生み出しつつあると推測される。現にそれを証明するかのように佐々木の背後には退魔の剣を携えた薬売りと、もう一人の佐々木の姿(半身)があった…。
その後、佐々木が生み出したモノノ怪は少なくとも薬売りの本文から斬り祓われたと思われるが、佐々木本人の安否は定かではない。しかし、あれほど渇望していた退魔の剣が抜かれる瞬間を、自身がモノノ怪を生み出したことで目の当たりにすることなったとしたら皮肉としか言いようがない結末である。しかし、退魔の剣は誕生した直後の怪ならば歯の音だけで祓うことが出来る為、佐々木が完全にモノノ怪を生み出す前に祓った可能性もあるが、真相は闇の中である…。
余談
登場期間は短いものの、その不気味な外見や斬り殺した亡霊に怯えるギャップ、
演者の阪口大助氏の怪演などから、妙にインパクトが強い。