…帰れ
近づくな…
狂気に、近づくな…
概要
『ELDEN RING』DLC『SHADOW OF ELDTREE』に登場するボスキャラクター。「奈落の森」の奥にある「ミドラーの館」に潜んでいる。
DLCのメインシナリオやエンディングに関わることはなく、ゲーム進行において攻略が必須な存在ではないが、撃破すると追憶を得られるボスの一体である。
ミドラーに挑むには、まず「影の城」の隠し通路を見つけ、そこから入れる地下墓のボスを撃破し、その先にある「奈落の森」を攻略し、森の奥にある「ミドラーの館」を探索……という長い道のりを辿る必要がある。
中でも「奈落の森」は霊馬トレントへの騎乗が禁止された上で本作屈指の厄介エネミー「触れ得ざる翁」への対処を余儀無くされる高難度エリアである。そういった点ではDLCにおける隠しボスの一角とも言えよう。
人物像
本編シナリオにおいて強烈なインパクトを残した『狂い火の王』を肩書きに持つ人物。
だがその見た目は身体を巨大な棘で脳天から貫かれた老人である。体格も殆ど骨と皮だけな上に、幾本もの逆棘が頬や脇腹を内側から突き破っており、もはや痛々しいというレベルではない姿。
フレーバーテキストから読み取れる僅かな情報によれば、かつて「狂い火」を宿したことでそれを忌み嫌う角人達から黄金の逆棘がもたらす痛みの中で永遠に苦しみ続けるという劫罰を与えられ、このような有様になったとされる。実際「ミドラーの館」の攻略中も、時おり苦痛に苛まれる彼の絶叫が聞こえてくる。
元々は賢者と呼ばれた人物で、言うまでもないが「ミドラーの館」の持ち主。館の大きさや内装の豪華さからはかつての裕福な暮らしが窺える他、纏っている黄色いボロ布もよく見ると精巧な装飾がされた衣である。
そんな彼がなぜ狂い火を受領し劫罰を受けることになったのか、その詳細は明かされていない。人格面にも謎が多いものの、館に侵入した褪せ人に一度は帰るよう警告してくるなど「狂い火の王」にしてはどこか理性を残しているような様子も見られる。
ミドラーが劫罰の生き地獄に耐え続けるのは、妻であるナナヤの言葉に縋っているからだという。
耐えてください
それは、呪いの言葉であった
戦闘
館の奥にある「対話室」にて戦闘となる。ちなみにこの対話室には所謂“ボス霧”や扉が無く、エリアの攻略途中でボス本人の姿を遠目に見ることができるという、追憶ボスとしてはかなり珍しい特徴を持つ。
第1フェーズ
…痴れ者どもが!
近づくと上記の台詞と共に襲ってくる。
主に飛びかかりからの「発狂伝染」のような掴み攻撃をしてきたり、「シャブリリの叫び」に似た咆哮で発狂ゲージを蓄積してくる。…が、攻撃を当てれば簡単に怯んでしまう貧弱さであり、体力も少ない。はっきり言って道中の敵と大差無い強さである。
BGMなどボスらしい演出が一切無く、体力ゲージの仕様もNPCや通常エネミーと変わらない為、この時点では“狂い火の王、ミドラー戦”は始まってすらいないと言える。
第2フェーズ
もう、いいだろう…
…許しておくれ、ナナヤ
狂い火の王、ミドラー
自身に刺さっていた棘を頭ごと引っこ抜き、そこに狂い火の光を宿した姿。それは『狂い火の王』エンディングにて主人公が見せた姿とも酷似している。
引き抜いた棘を『劫罰の大剣』として振るう他、頭部から次々と狂い火を放ってくる。リーチは短いが左手にも小さい棘を持っており、偶にこちらでも攻撃してくるので要注意。
ゆったりとした動作から振るわれる大剣は一撃が重い。刺突の直後に逆棘を展開されるパターンもあるので横方向の回避だと喰らってしまうことがある。頻繁に撒き散らしてくる狂い火は予備動作が殆ど無いので避けにくい。
当然ながら狂い火に当たると発狂が蓄積される。正気を上げるタリスマンや防具を死蔵しているなら使い所となり得るだろう。
ヒョロガリな見た目どおり強靭が低くダウンを狙える他、出血の状態異常も通るのが弱点。また、大剣の攻撃は発狂を蓄積しないので、近接は比較的に戦いやすい。
第3フェーズ
体力が7割を切ったあたりで攻撃パターンが変化する。移行の際は宙にふわりと浮いた後、膨れ上がった頭部の狂い火を地面に着弾させ大爆発を起こす。
爆発は範囲がかなり広い上、着弾直後に狂い火ビームで追撃してくるパターンもあるため、予備動作を見た時点で十分に距離を取るのが無難。
この状態からは大剣にも狂い火を纏わせ、ほぼ全ての攻撃に発狂ゲージを蓄積する効果が加わる。
また、狂い火攻撃のバリエーションも大幅に増加。近くの相手には二段階で破裂する狂い火爆弾を、距離を取ると「堪えきれぬ狂い火」に似た弾幕や追尾性のある狂い火ビームを放ってくる。特にビームは火力が凄まじく、大ダメージ+発狂でHPを一気に溶かされやすい。
戦利品
撃破すると手に入る『狂い火の王の追憶』は大剣『劫罰の大剣』か祈祷『ミドラーの狂い火』と交換できる。
劫罰の大剣
刺突属性を持つ大剣。
ミドラーを串刺しにしていた逆棘そのものであり、角人が最高の劫罰に用いる代物。
通常時はゆるりと巻き取られているが、対象を貫くと同時に逆棘を展開し、犠牲者の身体を内側からズタズタにする。
固定戦技『黄金の磔』は宙に浮き上がった後、対象を頭上から突き下ろす戦技。この刺突をNPCや対人戦で直撃させると瞬時に逆棘を開き、大きな追加ダメージを与える。
また、専用戦技『黄金の磔』は対人でやられたら全力で合わせたローリングをしないと避けれないような ダイソンのような吸い込み判定があり、対人で猛威をふるっている。
ちなみに登場時の見た目からか某悪魔退治漫画のとある武器からミドラー脊髄剣というかっこいいのかカッコ悪いのかわからないあだ名をつけられている
ミドラーの狂い火
発動すると自身の頭上に狂い火の王の似姿を召喚し、自身の周囲に狂い火を撒き散らす。歩きながらでも発動でき、ボタンを長押ししている間はFPが尽きるまで撒き散らし続ける。
見た目は派手だが、既存の『堪えきれぬ狂い火』と性能が大差無い上に自身の発狂ゲージが猛スピードで溜まってしまうのが難点。
狂い火の王は、焼き溶かす
苦痛、絶望、呪い。あらゆる罪と苦しみを
だがミドラーもまた、王としては弱すぎた
余談
- DLCにして漸く登場した『発狂の状態異常を扱うボス』でもある。
- ミドラーの妻であったナナヤだが、「ナナヤの灯」のフレーバーテキストから見るに、これを抱いていた遺体がナナヤ本人であった可能性が高い。既にミイラ化しているが、館の絵画に生前の姿が描かれている。
- 真に覚醒した「狂い火の王」は世界の全てを焼き溶かす程の力を持つが、ミドラーの操る狂い火の威力は精々が館の一室を焼き焦がす程度であった。フレーバーテキストにおいて「狂い火の王としては弱すぎた」とされるミドラーだが、ある意味ではそれを裏付ける要素かもしれない。