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猿蔵

さるぞう

猿蔵とは、横溝正史の長編推理小説『犬神家の一族』の登場人物である。※TOP画像右の男性
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概要編集

横溝正史の長編推理小説「犬神家の一族」の登場人物。


孤児だったが、それを不憫に思った野々宮珠世の母野々宮祝子が引き取り、珠世と姉弟のように育てられた。『猿蔵』というのは本名ではなく、猿に似ていることからつけられた通称で本名は不明。


珠世の両親が相次いで亡くなり、珠世が犬神家に引き取られると、猿蔵も下男として犬神家に入った。犬神家では珠世の世話役として、共に離れで暮らしている。珠世のことは『お嬢さん』と呼んでいる。


両親を亡くした珠世にとって唯一の家族であり、心を許せる数少ない存在。猿蔵自身も珠世をとても大事に思っていて、彼女のためなら人殺しもするとまで言われるほど珠世に忠実。


精悍で腕っぷしも強い青年。性格は無口で愚鈍だが、心を許した者にはとても優しい。佐智に拉致された珠世の気持ちを察して、意識を取り戻した珠世に「お嬢さんに至急ご覧になってほしいものがある」「それをご覧になったら安心できます」と紙きれ(珠世が純潔であること(強姦されていないこと)を証明したメモ)を真っ先に渡すなど、乳母のように珠世を思いやる面も見せている。


生前の佐兵衛から珠世を守るようにと命じられていたため(自分の遺言で珠世の身が危険にさらされることを察していたため)、珠世の身辺の世話だけでなく、護衛も務めていて、作中でたびたび珠世を助ける。


愚鈍で口足らずなところもあるが、感性は鋭く、犬神家の菊人形を作るなど芸術センスも優れたものを持っている。生前の佐兵衛の心情も察していたらしく(金田一は生前の佐兵衛が自分の考え(佐清と珠世を結婚させようとしていること)を猿蔵に伝えていたのではないかと推測していた)、猿蔵が作った菊人形は珠世や佐清といった犬神家の人間に似せて作られているなど、彼の作品に反映されている。



映画版では、金田一が気に入ったらしく、エンディングで「あの人のこと忘れられない」と花を持って、珠世たちと一緒に金田一を見送りに行こうとする様子が描かれていた。だが見送られるのが苦手な金田一が慌てて電車に飛び乗っていたので、花は渡しそびれたと思われる。


演者一覧編集

映画版編集

テレビドラマ版編集

演劇版編集



関連タグ編集

犬神家の一族 野々宮珠世

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