白川朗、春名の母方の祖父。苫小牧で飼猫とひとりで暮らしていが、長年疎遠だった娘のアキコが事故で亡くなり、孫である双子を引き取った。
定年まで王子製紙で働いており退職金と年金で余生を過ごしていたが、双子のために昔のツテでスケート場の清掃員として再就職し、製氷前の三十分だけ朗とアイスホッケーの基礎特訓を行っている。
かつては地元の実業団・王子イーグルスの主力選手で、1972年の札幌オリンピックに日本代表として出場、その後もふたつのオリンピックを経験している。
娘のアキコが七歳の頃に見た札幌オリンピックのフィギュア選手に強い憧れを抱き、環境の良い関東で本格的にフィギュアをするため母親と上京。若かった善次郎も娘のフィギュアを応援することよりも、自身が王子イーグルスに残ることを優先し、家族はバラバラに…
離婚に至った後は疎遠になってしまい、双子の孫が生まれたことも、アキコの母親が心不全で亡くなったことも全部あとで知らされた。
スケートなんてやることがない冬の間のヒマつぶしだった でも人生の全てをかけてどんな景色が見えるか挑戦してみた人間にとってはヒマつぶしだったものが輝きになる
スピナマラダ!ではフルネームは不明。長い間、疎遠だったせいか孫と交流する姿などはほとんど描かれていない。朗が出場したインターハイでは春名ともに会場で見守り朗のプレーに感心していた。
ドッグスレッドにおいては、孫達の夢を応援する良きおじいちゃん。
フィギュアを捨てた春名に、10代で人生に挫折したと思ってるかもしれないけど、まだはじまってもいない。と、優しく諭した。