ネタバレ注意!
概要
漫画「メイドインアビス」の登場人物たち。
黎明卿 新しきボンドルド率いる探窟隊。
全員が『暁に至る天蓋』というパワードスーツのような武装と仮面を着けており顔の判別が出来ない、他の探窟隊とは違い個々の命を重要視しておらず犠牲になった際も消費したという異質な関係性である。
しかし他の探窟隊と合同作業をすることはあるようで、その際には仮面をつけずに参加することもある模様。
その正体は特級遺物『精神隷属機』によってボンドルドの意識を植えつけられた隷属体。コピーではなく分割された意識であるため祈手は互いにボンドルドの意識を共有しており、ボンドルドの意識にボンドルドの仮面と白笛を持った祈手がボンドルドという群体の中での象徴として機能している。
そのため祈手が残っている限りボンドルドを殺すことは事実上不可能である。
祈手になれなかった者は基地の雑用係として有効活用されている。
隊の仕組み
祈手はボンドルドのボディとしての側面もある他、それなりの規模を有した隊でもあり、戦隊長としての役割を持つ白い外套を纏った死装束(シュラウド)と雑務や接待をこなす一般隊員が存在している。
また隊の多くは自ら志願した者で構成されており、中には賞金目当てでボンドルドと接触したがボンドルドに心酔して隊に加わる賞金稼ぎや犯罪者等もいる。
ちなみに祈手は全員ボンドルドの意識を植え付けられているが、自我まで消滅している訳ではなく、「ボンドルド」がその身体を借りる、またはオートモードで操る際にのみ自我を失う模様。
主な祈手達
ギャリケー(花園の祈手)
クオンガタリの巣窟と化した四層の不屈の花園を焼却した死装束の祈手。装備の関係か、常にやや前傾姿勢気味。
「灰のギャリケー」という異名を持ち、火炎放射器を武器として扱っている。クラヴァリ曰く「火炎野郎」。その実力は作者によると後述のビドゥーと同程度だとか(要するにかなり強い)。
読者からは名前が判明するまで「花園さん」などと呼ばれていた。
無機質で不気味な外見ながら意外と親切な性格で、レグにクオンガタリの事を教えたり、落とした無尽鎚を渡してくれた。元からの性格なのか、ボンドルドの客人としての扱いなのか。後者だったとしても、親切丁寧な人物という印象が強い(劇場版ではレグに「君ならどうすると?」と尋ねる際に、丁寧に火炎放射器を止めて聞き返している。)
また花園を焼却した際に炎に呑まれたようにも見えたがちゃんと生還しているらしい。
外伝4話ではハボルグが総隊長として率いる合同大探窟隊に探窟隊「祈手」の黒笛として参加して「大探窟隊戦隊長」を務めている。
補足だが、外伝4話の時系列はリコがアビスへ向かう前=花園焼却前とも取れる描写がされており、実際には焼却任務後の彼の動向等の詳細は本編では描かれていない為、その後の詳細は不明(おそらく、損壊した前線基地へ帰還したものと考えられるが)。
グェイラ
気の良い兄貴のような性格をした一般隊員の祈手。
ボンドルド、他の祈手と比較して長身の体躯が目立つ。
プルシュカの教育係もしていたようで、プルシュカの口調はグェイラの影響を受けた物。
だが前述した事が描かれるのはグェイラが死んだ後。
最期はボンドルドに精神を支配されたオートモードで操られた状態でカッショウガシラの毒針を尻から刺され、内臓を溶かされ死亡するという何とも度し難い最期であった。
ビドゥー(信頼のおける祈手)
ピンクの仮面と大きな図体が目立つ死装束の祈手。
大量の遺物で武装しており、ボンドルド曰く「頼れる者」、ナナチ曰く「ボンドルドの勝負服」。
大きな図体が目立つが、実は外套の中に綿を詰め込んでいて、尻尾を隠している。その為本来の体型は他の祈手とほとんど変わりなくスマート。
またボンドルドが祝福を得た身体もこの祈手である。
余談だが尻尾が生えていたり眼球が明らかに人の物では無いように見えるが、これらも全てこの祈手が装備している遺物由来の物。
また劇場版ではボンドルドの仮面を被る際に目元は見えないが一瞬だけ傷のついた素顔が映る。
スウマーマ(四本腕の祈手)
遺物「精神隷属機」を守護していた一般隊員の祈手。腕が四本ある異形の姿をしている。レグを下層に連れて行く為にボンドルドによってオートモードで操られレグを掴んだまま転落死した。
リメイヨ
呪詛船団を捕縛しようとした死装束の祈手。ビドゥーと共に先発として足止めに向かわされてる他、白い外套を纏っている事からかなりの実力者な模様。また胸が少し大きめに描かれてるように見え、女性の可能性がある。
そして67話にて捕縛した呪詛船団のメンバーの一人を引き連れて再登場。慇懃無礼な口調とやたら我が強い性格をしており、主人であるボンドルドの事をボンドル殿と独特過ぎる敬称で呼んでいる。同時に素顔も晒しているが中性的な整った顔立ちをしている。
タマウガチに襲われていた黒笛
探掘帰りにタマウガチに襲われてた所をレグに助けてもらった黒笛。
作者曰くオフの日の祈手らしい。
外伝4話にて上記のギャリケーなどの祈手と共に地上の酒場にいる姿が描かれている。レグ邂逅時は終始厳しい表情であったが、人の良さそうな表情を浮かべた彼の様子が見られ、無機的に見える祈手に個性が見られ、なかなか微笑ましい。
6層に向かうリコ達を見送った祈手たち
見送りシーンの左から、ボラ、トムアナ、ジェニエン、ボンドルド(宿主になっている素顔が見えている祈手の名前は不明)、ラビヤーク、ジョホー、エイカ。
余談
- 祈手は別名でアンブラハンズと呼ばれているが、アンブラ(Umbra)とは陰(物の表面の暗く見える部分)、転じて天文学の用語で「太陽黒点の最も暗い部分」または「月蝕時に地球の影が差して太陽の光が当たらず暗くなった部分」を意味し、本体の白笛(ボンドルド)を祈る形の手の影(祈手)で包み込むからアンブラハンズと呼ばれているらしい。
- 祈手は自我が消滅している訳ではないが、精神をボンドルドが支配して動かす、いわゆるオートモードがあり、レグの腕を切断した時の祈り手達もこの状態である。またこの状態の祈手達が得た情報は全てボンドルドに伝えられるが動きが鈍くなってしまい、カッショウガシラに襲われた際にあっさり全滅してしまった。
- カッショウガシラに襲われていた際に殺された「祈手」たちは、皆それぞれカートリッジの元となった子どもたちの教育係をしていた。プルシュカの教育係だったグェイラもその一人。劇中ではあっさり殺されてしまったが、プルシュカの感情に訴えかけて「パパ(=ボンドルド)への愛」を自覚させるためにどの道ここで処分する予定だった模様。度し難い。
- 外伝4話にて、上記のタマウガチに襲われていた黒笛やギャリケーを含む4人の祈手の仮面の下の顔が少しだけ描かれている。また、4名中名前が判明しているのはギャリケーとペイジン。ここで見覚えのある名前が出てきたことにより外伝4話の時系列にある程度の目星がつくことになる。
- つくし卿のツィッターより、女性の祈手も「居た」し、今も居る「かも」知れないとのこと。プルシュカの生い立ちとボンドルドの性質を考えると少し薄ら寒いものを感じてしまうのは穿ちすぎであろうか。
- 神秘卿スラージョはボンドルドの反対を押し切って強引にラストダイブを決行したが、その際、祈手にもかなりの被害が出たらしい。ナナチは「前線基地に戦闘要員が少なかったのはそのせいか」と推測している。