概要
神山満月の祖母。厳格な性格。夫はすでに死亡している。両親を交通事故で失って施設で暮らしていた満月を引き取って育てた。人間時代のめろこ・ユイ(里匡萌)とは親友同士。少女時代はフルムーンそっくりの外見で、着物が似合う和風美少女だった。
満月が娘の葉月が命と引き換えに産んだ子であり、葉月を死なせた男性(古雅葵)の娘ということに葛藤していて、満月に対して素直になれずにいた。そのため、引き取った満月を家の離れに住まわせていた。
親友の萌や娘の葉月が音楽をやっていた人間に関わって亡くなったことから音楽自体を嫌って遠ざけている。原作では音楽家の恋人と駆け落ち寸前で破局した裏設定もある。
そのため、満月が歌手を志すことを反対していて、その話題を出すと露骨に嫌悪感を示していた。歌を歌っている満月を見たときは「音楽なんて汚らわしいもの、おまえの父親を思い出して気分が悪いです」とキツイことを言っている。
満月には厳しい態度をとるが、心の中では満月を大事に思っており、満月が家出した後は文月なりに満月を心配して探していた。自分がこうと決めたことにはとても頑固だが、妖精(うさぎ形態のめろこ)の存在を受け入れて、優しく接するなど、懐の深い人物。また、親友萌の命日には毎年墓参りするなど、とても友達思い。
第17話「鯛焼きとウラハラとめろこ」では、自宅の庭で見つけためろこ・ユイ(うさぎ形態)におやつのたい焼きをあげたことがきっかけで、友達として交流するようになる。だが、文月と関わるようになったことがきっかけで、めろこ・ユイは前世(萌としての過去や文月との関係)を思い出してしまった。
かつて病弱で学校に通えないお嬢様だった文月にとって、自分を訪ねてきてくれる萌は大事な友達であり、親友だった。萌も年上で包容力のある優しい文月を慕っていて、二人はとても仲良しだった。
しかし、文月と萌が音楽家の青年・古雅清十郎と出会ったことで二人の関係は一変。清十郎に恋してしまった萌が、清十郎のことばかり話すようになったことに、文月は萌の恋を応援しつつも寂しさを感じるようになる。さらに許婚から、萌といつまでも遊んでないで妻となる準備をしてほしいと、萌に会わないように言われてしまう。
萌と会えなくなることや、萌が最近清十郎のことばかり言うことを悲しんだ文月は「私だけの萌さんだったのにー!!!」と泣いていたところを清十郎に見られ、清十郎はそのときの悲し気な文月に心を奪われて恋に落ちた。
それ以降、清十郎は文月に高価な贈り物を贈るなど、アプローチをかけるようになり、文月に好きだと告白。文月が「私には許婚がいるから」と答えると、清十郎は手をまわして文月の縁談を破談にさせて、強引に文月を自分の許婚にした。最初は萌のこともあって、清十郎を良く思っていなかった文月だったが、そこまでして自分に想いを寄せる清十郎に心動かされる。
しかし、清十郎の行為は、縁談解消された文月の元許婚が萌を新たな許婚に指名することになってしまい、文月が清十郎の愛を受け入れて清十郎とキスしていたところを目撃した萌は深く傷つき絶望して自殺してしまうなど、萌を自殺に追い込むことになってしまった。
萌の自殺に深く傷つき後悔した文月は清十郎との結婚を断り、別の男性(『和耶』という名前の男性)と結婚して、一人娘の葉月をもうけた。清十郎はその後『絹代』という女性と結婚して絹代との間に葵をもうけた。葵と葉月が結ばれて満月が産まれたので、清十郎と文月は結婚してないが、満月の祖父母である。
文月に似て病弱だった葉月はミュージシャンの葵と駆け落ちして家を出た後、満月を出産して死んでしまう。
親友萌と愛娘葉月、二人の大事な人が音楽に関わって死んだことから、文月は音楽を嫌うようになった。特に萌のことは、年老いた現在も、ときどき夢に見るほど気に病んでいた。
満月から文月と清十郎の経緯とその後を聞いためろこは、文月を長年の苦悩から解放させようと、萌の姿で現れる。文月はめろこ(萌)に、自分も清十郎が好きになってしまったこと、萌を裏切ってしまったことを謝り、めろこ(萌)にそのことを許されたことで、ようやく文月は過去の苦しみから解放された。
その後、満月と再会した文月は、満月に自分の道は自分で選ぶように言い、満月の歌手になる夢に理解を示した。
最終話では、めろこ(萌)とのわだかまりが解消した後に(タイミングよく)訪ねてきた清十郎といい関係になっていた。
テレビアニメ版では
アニメ版では、めろこと親友同士だったことや、清十郎との描写についてはカットされている。さらに葉月が幼い頃に登場した若き日の文月は20代後半~30代前半の年齢のわりに、かなりの老け顔にキャラデザされて登場していた。原作の若き日の文月は和風フルムーンともいえる萌え美少女だっただけにとても残念である。
厳しい性格だが、満月のことは大事に思っている。英知に会いに満月が海外に行くことを許可するものの、英知の死を知った満月がショックのあまり心神喪失状態で帰国したときは激怒して、若王子を主治医から外すなどしていたが、最終的に若王子に頼った。
最終話では満月(フルムーン)のコンサートを見守り、その後、手術を受ける満月に寄り添い励ましていた。