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空のキャンバス

そらのきゃんばす

「空のキャンバス」とは、週刊少年ジャンプ黄金時代の1986年から1987年までの1年間連載されていた、今泉伸二原作のスポーツ漫画である。
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作品解説編集

週刊少年ジャンプ集英社)にて1986年33号から1987年41号にかけて連載されていた今泉伸二原作のスポーツ漫画。


体操競技にスポットを当て、難病を抱えた少年とGFとなる少女との恋愛劇を軸に、少年の治療に生涯を掛ける医師、その少年に自らの果たせ無かった夢を託す少女の父親にしてコーチ等様々な人間ドラマを展開した作品。


今泉伸二初の連載作品で、当初は漫画チックな絵柄であったが、次第に師の原哲夫風の劇画タッチへと変化していった。


あらすじ編集

主人公・北野太一は子供時代、TVのヒーローを気取っていたが、そんなある日、運動能力の高い少年と出会う。生まれて初めて屈辱を感じた太一は“あいつ”ことその少年を見返そうと努力する。

そんなある日、少年は誤って古い橋から転落し、太一は助けようとして重傷を負う。少年は全快したらもう一度勝負しようと約束を誓った。


それから7年が過ぎ、太一は体操選手を目指し、赤城山太郎コーチの家へ下宿する事になり、愛娘・赤城榛名と最悪の出会いをしてしまう。しかし、太一は大怪我の影響で徐々に命を蝕まれおり、果たして生きているうちに“あいつ”ともう一度勝負出来るだろうか?


登場人物編集

北野太一

主人公で14歳。本来は赤城榛名より1学年上なのだが、長期入院で1年留年している。大怪我をしたとは思えない軽快な動きを見せる反面、徐々に大怪我に起因する病魔に蝕まれていく…。

赤城榛名

ヒロインで13歳。紫色の髪とポニーテールが特徴の少女で、太一とは最悪の形で出会う。結構ツンデレであり、実は太一の事は昔から知っていた。

初期の頃はシャワーシーンや入浴シーンを披露していた。

五十嵐俊

太一の言う“あいつ”に瓜二つの少年。実は彼もまた太一の事を昔から知っており、ある事情で少年院に入っていた。

賢苦労

太一の幼馴染みで、太一の事が心配でやって来る。師が絵師だった北斗の拳ケンシロウと、容姿は「ヒャッハー!」等言っていた雑魚キャラの二重のパロディーキャラ。

蓼科沙織

物語開始前の前年日本女子ジュニアのチャンピオンで、太一と榛名の知り合いで、通学する学校は別である。榛名の体操と恋のライバルになる筈だったが、展開変更でいつの間にか倉崎麗華に役柄を取られフェードアウトした。

あずさ

太一と同級生になる筈だった少女。太一と同じ下半身麻痺に苦しみ、余命幾ばくも無かった。

倉崎麗華

中盤から登場する所謂女王様型キャラ。金持ちの令嬢にして、中学生離れした色気を持ちあの手この手で太一を誘惑するが、女心に鈍感な太一の前には全く通用しなかった。

鶴巻浩二

本編の時代に於ける日本の器械体操男子の主力選手だが、ドロノワコーチ曰く「平均的な実力」との事。

物語後半体操の強化合宿で太一に嫉妬し苛めるが、太一の病気と境遇を知り改心する。

赤城山太郎

榛名の父親でスポーツクラブのコーチである。リハビリ中の幼い頃の太一を器械体操に誘う。

鳴海

体操ジャーナルの記者で元体操選手。自身の果たせ無かった夢を太一と五十嵐に託し、五十嵐をドロノワコーチに紹介した。

滝浩太郎

太一とあずさの主治医で太一の完治を目指していたが…

クリーフ・ドロノワ

ソ連(連載当時、後のロシア)の体操コーチで、山太郎のかつてのライバル。日本一を目指せる逸材を探していた。当時の鶴巻を「平均的な選手」とダメ押しする。

そんな中、ソ連へ帰国しようとしたら五十嵐の運動能力を見て「刺激と素質のある選手」として気に入り、帰国をキャンセルし、五十嵐を指導する。

エレナ・シュトロワ

物語後半に登場するソ連の器械体操選手の少女。生き別れた母親を探しており、結果蓼科沙織のポジションのキャラクターとなった。

謎の少年

7年前に太一の前に現れた運動神経抜群の謎の少年。太一は彼のことをあいつと呼んでおり、その正体は意外なものだった。


余談編集

本作品は1年強の短い連載期間であったが、初連載でこれ程濃密な人間ドラマを描き切った作品滅多にないと言われる一方で、やはり連載終了決定の影響か、終盤の急展開が惜しまれる。


関連タグ編集

今泉伸二 週刊少年ジャンプ連載終了作品の一覧 週刊少年ジャンプ 漫画 神様はサウスポー チェンジUP!


ガンバリスト駿(ガンバ!Flyhigh):本作同様、体操競技を題材とした作品。
















物語の真実(ネタバレ注意!)編集

太一が探し求めていた“あいつ”の正体は榛名だった。太一はその事を知らず時を過ごし、何度かの手術で太一は記憶喪失になってしまう。そして、ジュニアの世界大会を迎え、太一の命は尽きようとした時、太一は遂に自分が追い続けたライバルが榛名だった事に気付き、最後の演技に望む…。


実は太一は後1回手術をすれば完治したと言われていたが、完治したとしても、どれ位生き長らえたかはもう予想が付かない(もしかしたら20代位で落命した可能性もあり、完治したとしても長生き出来なかったかも知れない)。

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