概要
フランス革命をテーマにした歴史漫画。2015年から2018年まで連載された。全8巻。
フランス革命前夜の絶対王政時代のフランスを舞台に、主人公にして平民であるギデオン・エーメと、彼の幼馴染にして貴族であるジョルジュ・ド・ロワールの二人が、それぞれの信念から、それぞれの立場でフランス革命に関わっていく物語である。
特徴
いわゆる架空の人物と歴史上の実在人物が登場し、お互いに関わっていく作品であり、フランス革命に関わった貴族、王族、革命家が多数登場する。
特筆するべきは、ベルサイユのばらやレ・ミゼラブルの様に、これまで市民視点で素晴らしいものとして描かれてきたフランス革命に対して、それだけではない、市民による暴力や嫉妬、体制の破壊による混乱など、フランス革命の影の部分も生々しく描いたことである。
また、心優しいが暗愚な王として描かれることの多かったルイ16世や清廉潔白であるが冷酷な独裁者として描かれてきたロベスピエールなどの人物を再解釈した人物描写などでも有名。
特にルイ16世は、ほぼこの作品の真の主役と言っても良いほどに人格者かつ威厳深く描写され、彼の時代に翻弄された悲劇的な半生は作品の大きなウェイトを占めている。
登場人物
架空の人物
ギデオン・エーメ…本作の主人公。平民だが、普段は哲学書などを出版しつつ、生活の為に風刺を兼ねた官能小説を執筆している。暴力による革命を否定し、ルイ16世と親しくなる。
ジョルジュ・ド・ロワール…ギデオンの幼馴染にして、美貌の貴族。暴力による革命を成し遂げる為に暗躍し、ギデオンと対立する。
ソランジュ…ギデオンの娘。
実在の人物
ルイ16世…フランス王国国王。
マリー・アントワネット…ルイ16世の妻にして、悪名高き最後のフランス王妃。