紀友則
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きのとものり
平安時代前期の歌人・官人で、三十六歌仙の一人。『古今和歌集』の撰者。
四十代半ばまで無官のまま過ごし、寛平9年(897年)に土佐掾、翌昌泰元年(898年)に少内記、延喜4年(904年)に大内記に任ぜられる。
従兄弟にあたる紀貫之・壬生忠岑とともに『古今和歌集』の撰者となったが、完成を見ずに病で没した。
紀貫之・壬生忠岑がその死を悼んだ哀傷歌がその歌集に収録されている。
『古今和歌集』の45首を始めとして勅撰和歌集には計64首入集しており、歌集に『友則集』がある。
久方の ひかりのどけき 春の日に しづ心なく 花のちるらむ
日の光がこんなにものどかな春の日に、どうして桜の花だけは散っていってしまうのだろうか
『古今和歌集』や百人一首の中でも有名なこの歌は、紀友則の代表歌としてしられており、国語の教科書に広く採用されている。
春霞かすみて往にし雁がねは今ぞ鳴くなる秋霧の上に
春霞にかすんで見えなくなるようにして去っていった雁が、今ふたたび秋の霧の上で鳴いているのが聞こえる
歌合(うたあわせ)という、歌人を左右二組にわけて詠んだ歌を一番ごとに比べて優劣を争う文芸批評会(若しくは遊び)で「初雁」という秋の題で参加した際、彼は「春霞……」という初句を詠んだ。
反対側にいた参加者達は聞いたときに季節が違うと思って笑ったが、第二句の「かすみて往にし」を聞いて静まりかえってしまったという逸話である。
この歌は『古今和歌集』秋上では「題しらず よみ人しらず」とされているが、『古今著聞集』によると紀友則の歌であるとのことで、これが彼の出世のきっかけになったという。
古今和歌集 後撰和歌集 拾遺和歌集 友則集 古今著聞集
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