概要
可楽杯に参加したアマチュア落語家の一人。初登場時は大学生で、落研に所属していた。
チャラついた雰囲気だが、子供の頃から地頭が良く器用で、既に大手企業の内定を複数貰っている。
落研には「好きなものをお笑いと答えるより落語と答えた方が通っぽいし賢い感じが演出できる」という軽いノリで入っていた。しかし、落語にはあまりにも当時から使われる用語が多すぎることに辟易し、現代風にアレンジした改作落語に手を出す。
そのアイディアセンスはかなり高く、可楽杯では昨年、一昨年と二連覇を達成している。
一方で落語家としての技量は学生レベルと大差なく、未熟さをアイディアでカバーしている。
「信頼できる自分自身こそが最大の資本」という考えの持ち主で、かなりの自信家。
名前の元ネタは実在する落語家の柳家わさびか。
動向
三連覇をかけて可楽杯に参加。阿良川一生が審査員を務め、高良木ひかるのような著名人が参加し、大会が例年より盛り上がっていても特に気後れしない余裕で予選を突破。突如現れた注目株の桜咲朱音に対しても、実力は認めつつも、彼女が予選で選んだのが誰でも知っている「寿限無」であったことから、「超絶歌上手歌手が森のくまさんを披露したようなもの。需要が合っていない」と意に介していなかった。
本戦では転失気を現代に改作した「BM」を披露。学生イベントである可楽杯でウケることに特化した落語で会場の大爆笑をかっさらい、一生からも賞賛の言葉を受けて優勝を確信。直後にひかるが「芝浜」で今度は会場を感動させたことで、既に観客が満足していることを察し、朱音を含めた後続組に勝ちの目はないと判断していた。
しかし、朱音の予選とは打って変わった、抑えているが上手いとすら思わせないほど自然な「寿限無」に次第に引き込まれ、最後は圧倒されて敗れる。
同時に、自身を含めた本戦出場者を皆褒めていた一生が、優勝した朱音にだけは非常に冷徹だった様子を見て、朱音との根本的な実力差、そして一生の自分への賞賛は素人へのリップサービスに過ぎなかったことを悟る。
この経験が大いに効いたようで、可楽杯後は企業の内定を蹴って古典落語の名人である三明亭円相に弟子入り。「三明亭からし」として朱音よりも早く前座として活躍中の模様。
後に「阿良川あかね」となった朱音と再会した際は、「慣れ合うつもりはない」としつつも「張り合いがない相手を潰してもつまらない」と何かと助言をしており、素直じゃないなりに人の良さも見せている。(読者にはネットで後方からし面等とも呼ばれていたりする。)
余談
単行本のおまけマンガでは幼なじみの水瀬花恵や友達の昇平にも「からし」と呼ばれているが本名なのかあだ名を芸名にしたのかはまだ不明。