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概要

1922年12月から1966年5月31日まで存在していた。

茨城線の上水戸駅から国鉄水戸駅を経て大洗を結んでいた。戦前は大洗からさらにひたちなか市の湊まで伸びていた。

また茨城線の電化区間にも乗り入れ、茨城大学のある大学前まで走っていた。


歴史

太平洋へのインターアーバン

1889年に水戸鉄道(現水戸線)が開通し、輸送の中心がそれまでの海運から鉄道にとってかわられたことに危機感を抱いた磯浜や大洗など海岸の住民たちは鉄道を敷く計画をくりかえし立ててきた。1921年、当時流行していたインターアーバンに範をとり磯浜から水戸への軌道線と電力事業をセットにした水浜電車を設立した。

1923年に一部区間が開通し、2年後には水戸への乗り入れを果たした。

競争と拡大、ライバルへの勝利

開業当初から多くの観光客が利用し、水浜電車自身も観光施設を作る傍ら、湊鉄道(現ひたちなか海浜鉄道)との激しい観光客誘致競争を繰り広げた。

そこで水浜電車は湊鉄道の本拠地ともいえる那珂湊への路線延長を計画。開業直後から鉄道連絡船を開設したのち、1926年から27年にかけて海門橋まで延伸、1930年海門橋の開通とともに湊町に乗り入れた。しかし、それより先は地主との対立で実現できなかった。

1926年には鹿島軌道が大貫で接続し鹿島参宮鉄道(後の鹿島鉄道)と連絡した。しかし4年後に同線は廃止された。

1929年には維新烈士の顕彰を行っていた田中光顕を支援する形で水戸藩と明治維新に関するいまでいうテーマパーク「常陽明治記念館」と「立正護国堂」を設立した。立正護国堂の僧侶としてやってきたのがあの井上日召であった。政治運動を志向する井上日召と仏教活動に専念してほしい水浜電車首脳の間で激しい対立があり結局翌年住職を解任された。その2年後、彼は世間を震撼させる血盟団事件を引き起こした。

水戸方面では1927年に陸軍関係者の利便を図り水戸から袴塚まで路線を延伸した。一方1918年からはバスとの競争が激化したが、水浜電車ガールという今でいう女性アテンダントを採用したりした。その一方で水浜電車は県内北部の交通を統一する野望を抱いた。1932年には競争相手で会ったバスを買収したことを皮切りに1939年には遂に長年のライバルであった湊鉄道を傘下に入れる事に成功。1940年茨城鉄道も買収し1944年茨城交通を発足させた。しかし、一方で日立の圧力で日立電鉄の統合はできず、1938年には海門橋が流され湊町までの路線が復旧できずやがて廃止する、電力事業を失うなど苦しい時期もあった。

なお海門橋が流されたのは業者の手抜きが原因だったらしい。もう少し金をかけておけばよかった。

茨城線は戦時中の燃料不足で一部電化され、乗り入れを行う。電化の終点南袴塚駅(大学前駅)に戦後水戸大学ができ、大学生の足としても重宝されるようになった。


最期

水戸の市内電車ならびに鹿島臨海鉄道開通前の大洗と水戸を結ぶ交通として利用されてきたが、茨城交通は昭和30年代以降、経費削減策により始発の切り上げ、運転間隔の間引き、終電車の切り下げなどを行い、並行する区間に路線バスを増発した。水浜線は単線で電車の行き違いのタイムロスがあり所要時間が長くなり、利用客はバスに流れていく。

途中停留所を設けたものの昭和30年代後半に300万人を割ってしまい、さらに水戸市議会からは中心部を通る国道50号の交通渋滞の原因とみなされ、渋滞解消を理由に撤去要請を可決された。さらに茨城線の大学前まで直通していたものの、さらなる減便により1963年の乗客数が125万7000人に減った。

1965年6月11日に水戸駅前から上水戸までの区間を廃止、水戸市中心部に通じなくなりさらに減便が続き、水戸市中心部に通じるバスに利用客が流れてしまう。1966年に茨城交通はバス転換を決定。水戸駅前-大洗間の区間も5月31日の運行を最後に6月1日に廃止、バスに転換された。


現在

現在代替バスは茨城交通50系統としてほぼ同じルートを走っている。また鹿島臨海鉄道の水戸~大洗は水浜線が存在した影響で他の区間と比べ多く列車が走っている。

2017年の廃止50年の節目にはアニメガールズ&パンツァーとコラボし、記念のフリー切符やスタンプラリーが企画された。


関連タグ

茨城交通 水戸市 ひたちなか市 大洗町 路面電車

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