概要
蒟蒻問答とは落語の演目の一つ。
噺の後半では、すれ違いコントの様なやり取りが繰り広げられることになる。
あらすじ
蒟蒻屋の六兵衛は、ある日修行で立ち寄られた旅僧に禅問答を仕掛けられることになった寺の和尚に代わり、自身が禅問答を受けることになる。
旅僧が両手の指を付けて小さな輪を作ると、六兵衛は腕も使って大きな輪を作り、それを見た旅僧は平伏する。しからばと僧侶が10本の指を示すと、六兵衛は片手を突き出して5本の指を示し、再び僧侶は平伏する。最後に僧侶が指を3本立てる様子を見せると、六兵衛は片目の下に指を置いた。そこで僧侶は恐れ入ったと逃げ出すように本堂を出る。
陰から様子を見ていて驚いた和尚は僧侶に負けた理由を訪ねた。旅僧曰く「途中から無言の行と気付き、こちらも無言でおたずねした。『和尚の胸中は』と問えば『大海のごとし』。では、『十方世界は』と問えば『五戒で保つ』と。最後に『三尊の弥陀は』と問うたところ、『眼の下にあり』とのお答えでありました。とても拙僧がおよぶ相手ではなかった」と語り、寺を立ち去った。
六兵衛が禅問答に勝ったことに感心した和尚が六兵衛の元に行くと六兵衛が激怒しており、理由を聞けば「あの坊主はふざけた奴だ、途中で俺が偽者でただの蒟蒻屋だと気付きやがった。『お前ん所の蒟蒻は小さいだろう』とバカにしやがるんで、『こんなに大きいぞ』と返してやった。野郎、『十丁でいくらだ』と聞くから『五百文』と答えたら、『三百文にまけろ』とぬかしやがったんで『あかんべぇ』をしてやった」