「誤チェストにごわす」
誤チェストとは読んで字の如く”チェスト”し間違えることである。
事の発端は怨身忍者の脅威に手を焼いた幕府が薩摩藩に”鬼退治”として怨身忍者レジイナ討伐を命じたことから始まった。
だが、勇壮な薩摩隼人をもってしても怨身忍者には手も足も出なかったため、やむなく薩摩藩は日本最強の侍である宮本武蔵に助太刀を頼むことにしたのである。
しかし、そのやり方は常人の発想を逸脱したものだった。
宮本武蔵のスカウトを命じられた中馬大蔵率いる武家者(ぼっけもん)の一団は武蔵が現れるであろう山道にて待ち伏せし、道を通る武士を片っ端からチェストして武蔵かどうかを確かめていたのだ。
武蔵が鬼退治を成しうる人物かどうか確かめる意味合いもあったのだが…その後につづく「またにごわすか!?」というツッコミの通り、幾人もの無関係な侍を誤チェストしてしまう結果となった。
後に現れた本物の武蔵にも勇んでチェストしたぼっけもん達であったが、虎のごとき強さを誇る武蔵に生半可なチェストはまるで通じず、中馬を除く全員が武蔵にチェストされることになった。因果応報と言うべきか……。
なお、最大の問題は、元からバカ強い上に、こんな傍若無人な真似を平気でやらかす「ぼっけもん」達でさえ「俺達では敵わない。仮に、倒せる者が居るとしたら、日本一の武芸者と言われる宮本武蔵ぐらいだろう」と結論せざるをえないような更に無茶苦茶な「敵」が「衛府の七忍」世界にはゴロゴロ存在すると云う事である。
まったくチェストな話である。
「チェストん説明するんは女々か?」「名案にごつ」
チェストとは薩摩隼人が敵に向かって斬りかかる際に発する雄叫びである。
薩摩示現流では雄叫びを上げて敵を怯ませ一刀のもとに相手を渾身の力で叩き切ることを基本戦法にしていることもあり、チィィィエエエエエエストォォォォォオオオオッッ!!!と腹の底から声を出すことが大事とされる。
チェストとは言わば感情の爆発そのものであり、空手における押忍の概念に通じるものである。
故にチェストには万の意味が込められており、一口に説明するのは困難である。
後に武蔵が中馬にチェストの意味を聞いた際も「チェストはチェストじゃ!チェストん意味聞くような者はチェスト出来ん!」と返されており、チェストとは言葉で容易く語れるものではないことが窺える。
後に中馬たち薩摩隼人の熱き心意気と蛮勇とも言える勇壮さに感じ入った武蔵は「チェストとは”知恵捨て”と心得たり」と彼なりの結論を導き出した(ただし、数ある説の一つではあるがチェストの語源は「智を捨てよ(ここでいう「智」とは剣を打ち込む以外の雑念の意)」が訛ったものとする説は本当にある)。
上記の中馬の発言も「チェストとは知恵を捨てるという意味であり、チェストの意味を聞くような者は知恵を捨てることは出来ない!」とも取れる。
念のため記しておくが、これらの「チェストと言う言葉の説明」は「衛府の七忍」の作中設定ではなく史実である(そうではないかという学説レベルのものを含むが)
「誤チェスト」と言う用法は多分衛府の七忍オリジナルだと思われるが……。
チェスト一覧
「チェスト関ヶ原!」
島津家の隠語で”ぶち殺せ!”を意味する。
ちなみに意味こそ違うが、チェスト関ヶ原という単語は実在のものである。
「チェスト種子島」
種子島こと火縄銃でチェストすること。
ちなみにこのとき使われた火縄銃は18連装という凄まじくチェストな逸品であった。
なお、この銃の元ネタは「子連れ狼」に出て来る同様の武器と思われるが、萬屋錦之介主演のTVドラマ版では、この武器が初登場する回では薩摩藩の隠密も、この斉発連射銃の開発・製造に関与している。
関連イラチェスト
関連チェスト
ポプテピピック - 「チェスト竹書房ォ゛ーイ゛!!」竹書房と間違えて「KADO」と書かれた看板が落ちて来た
刀語 - 作中ヒロインがこれのつもりで「チェリオ」を連呼する。これもある意味誤チェスト