概要
「漆黒アカデミア」にて2021年10月30日の動画より登場。世界各国のスラム街に訪れてその事情を解説する。
人物
見た目30~40代の男性で職業は日本料亭の料理人。配信開始時は長髪で髪を後ろに束ねていたが、のちにツーブロックヘアーにしている。政財界の大物も利用する高級料亭の板前だったが、丹精込めて作った料理が一口も手を付けられないまま捨てられるのを目の当たりにして、自分は料理を作っているのかそれとも生ゴミを作っているのかと苦悩するようになり板前を辞職する。その後は様々な料理店に就職する一方で食べ物の大切さを世間に伝えたいと切望するようになり、飽食社会の日本に比べて世界には飢餓に喘ぐ人々がいるという現実を知ったのがきっかけで、状況を知りたい興味から時間が空いては世界各国のスラム街を訪れるようになり、自身を「飢餓ハンター」「スラムハンター」と呼ぶ。日本拳法の使い手で銃を持っていない相手ならある程度対応できる。御時世的に事ある毎に中国人と勘違いされる。
現地で悪者に絡まれている女性を助けては成り行きでガイドとして雇って街を同伴し、その生真面目さから女性が豊後に惹かれて家での宿泊を持ちかけて一夜を共にする事がある。
時には飢えた人々を励ますために現地で食材を調達してその場で調理し、炊き出しとして人々に振る舞う事がある。
作中で訪れたスラム街
- ホシーニャ(ブラジル)
ブラジルの首都リオに在るブラジル最大のスラム。元々は雇われ農民の街だったが、農業の衰退で政府も見放して荒廃していき、現在は汚職に塗れる警察に加え、地区ごとにギャング団が支配する無法地帯になっている。
- マココ(ナイジェリア)
ナイジェリアのラゴス海岸側に在る水上都市で人口30万人。政府が見放しているため地図上に登録していない上、インフラが全く整備されてなく、水上地は排泄物やゴミなどにより汚染されている。住民は自給自足で魚やナマコなどの水生生物を食しているがもちろん汚染されている。地区ごとにギャング団が存在し、人身売買や女性に子供を産ませて売買する「赤ちゃん工場」などの非合法な闇売買が蔓延っている。警察も街の入り口付近しか関わらないようにしている。
- カラカス(ベネズエラ)
ベネズエラの首都。「世界一治安の悪い街」と国際的に認識されており、大人のギャング団はもちろん、ストリートチルドレンによるギャング団も横行しており、警察も旅行者などから金品を巻き上げるほどで「公的な暴徒」と揶揄されるほど。豊後は特に治安の悪い地域であるランチョに訪れ、45階建ての廃墟ビルにして750世帯の貧困層の居住区でもあるトーレ・デ・ダビを見学した。医療機関も医療器具や薬が常に不足しており、また医師も高額を求めるため治療できずに死ぬ人が多く、人が死んだ際、腐敗による疫病を防ぐためにドラム缶に入れて火葬する「ドラム缶葬」を行う。
- ハッピーランド(フィリピン)
フィリピンの首都マニラの湾岸沿いに在るスラム。「ハッピー」とは英語の「幸福」という意味ではなく、タガログ語の「ハピラン(ゴミ)」という意味。元々はマニラのゴミ収集場にスカベンジャー(ゴミ採掘者)が集まり町を形成した。人々はゴミを売っては日銭を稼ぎ、また生ゴミも採掘しては食べたり売ったりしているため衛生管理は悪く、病気で亡くなる者が多い。メイン通りには百貨店やネット電波のレンタルなどの店が建ち並んでいる。
- ケープタウン(南アフリカ共和国)
南アフリカ共和国南東部に位置する湾岸都市。中心街や湾岸部はインフラ整備されて一見治安が良い様に見えるが、裏道に入るとスラムの地区が多く、治安も悪く警察が銃火器を携えパトロールし、子供達も護身のために刃物を携帯している。ケープタウンには20ものギャング団が存在し、近年中国系マフィアがナマコなどの密漁目的でケープタウンに進出している。ちなみに現地では白トウモロコシを原材料にしたコーンビールが家庭で作られている。
- キベラスラム(ケニア)
ケニアの首都ナイロビの中心地からさほど離れていない場所に位置する世界最大規模のスラム街であり、街の範囲は直径4km。人口は国勢調査では17万人とされているが実際は100万人住んでいると言われている。犯罪率が高く、特に夜間外出は死亡率が高いと外に出歩かないほどで、女性の外出時にボディーガードを勤める「送り屋」なるビジネスが在るほど。本来キベラスラムに住む事は違法とされているが、かと言って街を封鎖したらナイロビ中に貧困層が雪崩れ込み、治安が麻痺する恐れがあるからかケニア政府は「黙認」しており、学校や病院などの施設が整っている。
- トレンチタウン(ジャマイカ)
首都キングストン内のホットスポット(危険地域)。インフラ整備すらしないで放置している政府に代わってギャング団がインフラ整備や学校や病院などの施設を運営・管理しているため、リーダーは名士として住民から支持されているが、ギャング団を撲滅したい警察とのいざこざが絶えず、殺人発生率は世界2位。住民も警察(政府)を悪と見なしているため、抗争の際はギャング団に協力している。
- カニャダ・レアル(スペイン)
マドリードの郊外に在るスラム街。近年アフリカからの不法移民が多い。1~6のセクター(区画)があり、数字が大きいほど治安が悪くなる。1~3までの住民は税金を払っているためインフラは整っているが、4~6は自給自足生活を余儀なくされる。4.5はマフィアやギャングの住宅街が多く、道路は薬物の取引場として利用されている。6には意外と教会があり、信仰心故か安全地帯と化している。
- ガレージバレー(ロシア)
首都モスクワの郊外に在るスラム街。地上では300人のホームレスがバラック小屋で生活しているが、ロシアの冬はマイナス30度になるため、寒さから逃れるために旧ソビエト連邦時代の地下軍事要塞跡地に約1万5千人が生活しており、レストランやカジノ、工場まであり地下都市化しているがもちろん違法であり、時折治安当局が一斉検挙に訪れる。
- マンシェイェト・ナーセル(エジプト)
首都カイロの郊外に在る、人口6万人のキリスト教コプト派教徒の居住区。住民はカイロ中のゴミを町まで持ち込み、ゴミの中から価値のある物を漁って生活の糧にしている他、同時に生ごみを飼料にして豚や羊などを飼育しており、豚を食べる事を禁じられているイスラム教のエジプトにおいて唯一豚肉を食べる事ができる地域でもある。住民の中には生活苦で臓器を売買組織に売る者も居る。
- シテ・ソレイユ(ハイチ共和国)
首都ポルトープランスの北部に広がるスラム街。カリブ海に位置するハイチは地理的に地震やハリケーンなどの自然災害が多発し、そのため治安や財政が不安定で世界各国が支援しているがそれでも追いつかず、国民の8割が1日1ドル以下で生活する事を余儀なくされており、世界最貧国のひとつに挙げられている。特にシテ・ソレイユは30以上のギャング団が存在し、ほぼ毎日街の何処かで銃撃戦が行われており、時々警官隊のデモも行われている。政治家とギャング団との癒着も行われており、前大統領が暗殺された他、現大統領はギャング団と癒着があるとの噂もある。
- サンペドロスーラ(ホンジュラス)
ホンジュラス第2の都市。世界最悪レベルの危険度を持つホンジュラスにおいてもっとも犯罪件数が多く、1日1000人に1人が殺害される。元々治安が悪く警察も対処が追いつかないため、自衛のためにライフル5丁拳銃2丁までの所持を許可されているが、逆に死亡者件数が多くなる悪循環を生み出している。アメリカンドリームを求めてアメリカに不法入国する者が後を絶たないが、金も学も無いので犯罪に手を染め、強制送還されてそのままギャングになる者が多い。
- シエラレオネ共和国
西アフリカに位置する小国。1961年にイギリス連邦から独立したものの、ダイヤモンド鉱脈が発見されたのがきっかけで利権を巡って内乱が勃発。反乱軍が戦費稼ぎにダイヤモンドを密輸した結果、終戦後には鉱脈はほぼ枯渇した上にその後の失策続きでアフリカ有数の貧国になった。現在もインフラ整備は皆無で、国民は道端で排泄しているため疫病が蔓延。時には「死の病」と名高いエボラウイルスやコンゴ出血熱が発生し、国民の平均寿命が55歳と短命。ちなみに国旗はファミリーマートのマークに似ており、豊後は妙な親近感を持った。
- ドバイ(アラブ首長国連邦ドバイ首長国)
一見オイルマネーにより繁栄した優雅な佇まいを持っているが、肉体労働をはじめとする労働は海外からの出稼ぎ労働者を雇用しており、パスポートを奪取して帰国出来ないようにして過酷な労働を強いている。優雅なイメージを損なわないように郊外や裏道に宿泊施設が在るが、タコ部屋に近い簡素な建物に衛生管理の届いてない簡易トイレと劣悪であり、死者も発生しているが、厳密な情報操作で他国にはあまり公表されていない。更に中東諸国では「カファラ制度」という雇用主が労働者を自由にできるという労働契約制度が存在し、女性も例外ではなく、他国への人身売買も発生している。