概要
ヒト型のトウモロコシが長芋?&カボチャの囃子に合わせて「髪」を振り乱す様子を描いた浮世絵。正式名は「道外とうもろこし 石橋の所作事」。
このトウモロコシは歌舞伎の「石橋(しゃっきょう)物」を演じているようで、長い髪はいわゆる連獅子。牡丹の代わりにトウモロコシを持っているのが芸の細かいところ。
またタイトルにある「所作事」というのは伴奏や長唄に合わせた舞・踊りの事で、元は能にもみられる。
なんとも突飛な発想に見えるが、当時江戸では変な形のトウモロコシが話題になっていたのでそれをモチーフとしたものとされる。また彼の作品にはホオズキをヒト型にした(ちょっとさるぼぼっぽい)作品や、猫好道五十三疋など動植物が人間のごとく振る舞う擬人化ネタ、天保の改革のせいで取り締まりを食らった役者絵(現代でいうブロマイド)をあの手この手で表現したりとこのトウモロコシに負けず踊…劣らずユニークなものが多い。