概要
『遺書、公開。』は、陽東太郎による学園サスペンス漫画。ガンガンJOKERで2017年から2022年まで連載された。
2025年に実写化。当初タイトル及び原作となる作品は非公表だったが、2024年10月に正式に発表された。監督は英勉、脚本は鈴木おさむ。主演は吉野北人(THERAMPAGE)。
あらすじ
新学期、灰嶺中学2年D組のクラスメイトに教師を含めた全員の序列が記された「2-D序列」という謎のメールが送られてくる。クラス中がそのメールに注目する中「1位」の姫山椿がその空気を変えた。その日を境に姫山はクラスの中心となっていく。
その姫山椿がある日突然、自殺をしてしまう。
悲しみに暮れるクラスメイト達が姫山の葬儀から教室に戻ると、全員の机の上に姫山からの「遺書」が置かれていた。クラスメイト達は姫山の自殺の原因を明らかにするため、それぞれ自分の遺書を公開していく。
その結果、2年D組の闇が次々と暴かれていく。
2-D序列
謎のメールに記されていた教師も含めた2-Dのクラスメイト全員の序列。何の序列なのか、誰が送ったのものかは一切不明。
遺書
クラスメイト全員の机に置かれていた姫山からの遺書。封筒には「○○様へ」と書かれており、中身の内容も人によって違う。一見、クラスメイト達に感謝を記したものに見えるが……
登場人物
「演」は実写映画でのキャスト。
- 廿日市 くるみ (はつかいち くるみ)
演:志田彩良
何事にも常に「なぜ」と考えている女子生徒。将来は小説家になりたいと考えており、そのための資料兼、趣味として周囲の人間の特徴を書き留めた「人間観察日記」を作っている。序列は24位。
- 池永 柊夜 (いけなが しゅうや)
(画像下の人物)
演:吉野北人
廿日市の後ろの席の男子生徒。廿日市とは仲が良く、よく一緒に話している。毎回宿題を忘れてくる廿日市に宿題を写させている。廿日市によると姫山のことになるとよく話すらしい。序列は22位。
- 千蔭 清一 (ちかげ せいいち)
演:宮世琉弥
常に不敵に笑っている男子生徒。担任である甲斐に毎週金曜の6限目のロングホームルームを『遺書公開』の場とすることを提案し、認めさせる。彼曰く「このクラスは歪んでいる」らしい。序列は19位。
- 御門 凜奈 (みかど りんな)
演:髙石あかり
姫山と同じテニス部でダブルスを組んでいた女子生徒。生前の姫山とは仲が良く、よく一緒にいた。序列は3位。
- 栗原 瑞希 (くりはら みずき)
演:星乃夢奈
姫山に勉強を教えてもらい、成績が上がった女子生徒。『遺書公開』の場では書記を務める。序列は8位。
- 大島 由梨 (おおしま ゆり)
演:川島鈴遥
姫山の自殺の原因を明らかにするため、全員の遺書を『公開』することを提案した女子生徒。姫山とは同じ学級委員だった。『遺書公開』の場では司会を務める。序列は5位。
- 沖 正彰 (おき まさあき)
演:荒井啓志
学級委員。姫山とは同じ学級委員であり、『遺書公開』の場では大島と共に司会を務める。序列は6位。
- 山根 裕基 (やまね ゆうき)
演:楽駆
何を考えているのか分からない男子生徒。ほとんど話すこともなく『遺書公開』の場でも真っ先に帰ろうとする。序列は29位。
- 谷地 恵 (やち めぐみ)
演:兼光ほのか
明るい性格で、お喋り好きの女子生徒。『遺書公開』の場では真っ先に自分の遺書を公開した。序列は17位。
- 峠谷 陽茉莉 (とうげや ひまり)
演:金野美穂
序列17位の相畑、22位の沢渡と仲良しグループ。いつも3人で行動しているが、序列に影響されやすく姫山に憧れていたのか、しきりに姫山を褒めていた。序列21位。
- 三宅 雄大 (みやけ ゆうだい)
演:藤堂日向
いつも明るく元気な性格で、クラスのムードメーカー的存在。お調子者で短絡的なところもあり、姫山・赤﨑カップルのことをよく冷やかし、からかっていた。序列11位。
- 黒瀬 蓮司 (くろせ れんじ)
演:浅野竣哉
陰気な性格で、教室ではいつもスマホをいじっている。序列23位。クラスのスキャンダルが好きで、記者気取りで写真を撮りながら“黒瀬砲”を炸裂させるが……。
- 沢渡 すずこ (さわたり すずこ)
演:鈴川紗由
序列17位の相畑、21位の峠谷と仲良し。地味で目立たないタイプだったが、遺書を公開前日に何者かに盗まれたことでクラスの注目を浴びる。序列22位。
- 相畑 詩帆 (あいはた しほ)
演:日髙麻鈴
マンガが大好き。序列21位の峠谷、22位の沢渡と3人グループ。姫山が1位になるまでは、マンガ「花カレ」のファンという共通点から仲が良かったが、序列を機にストレスに苛まれ、自ら関係を一方的に絶ってしまう。序列17位。
- 赤﨑 理人 (あかざき りひと)
生前の姫山と付き合っていた男子生徒。姫山とは誰もが認める似合いのカップルで、付き合ってから一度も破局の危機はなかったらしい。序列は2位。爽やかな容姿に温厚な性格だが、実は……。
- 笹井 夏月 (ささい なつき)
演:上村海成
赤崎と親しい男子生徒。序列は4位。
- 熊田 碧 (くまだ あおい)
演:榊原有那
サバサバしていて、決断が早い。はっきりものを言う性格で、文化祭の出し物は熊田の鶴の一声で「姫山が主役で演劇」と決定した。序列9位。
- 横山 嵐 (よこやま あらし)
演:松本大輝
陸上部。スポーツ万能で成績優秀。序列7位。「遺書公開」の中盤で「姫山には“死にたい願望”があったのでは」と分析するが、序列16位の千蔭に真っ向から否定されてしまう。
- 茅野 鞠華 (かやの まりか)
演:大峰ユリホ
大人しい、ハーフ系美少女。序列13位。赤﨑に続いて、2番目に遺書を公開する。“少女漫画のような恋愛”をしたいと夢見ていて、姫山と赤﨑の関係に憧れていた。
- 津島 航 (つしま こう)
演:阿佐辰美
体育祭の実行委員。序列14位。スポーツマンタイプの熱い性格で、クラス対抗リレーではアンカーの姫山にバトンを渡す重要なポジションを務めていた。
- 名取 恭四郎 (なとり きょうしろう)
演:大東立樹
将棋部。序列18位。席の近い序列19位の池永・20位の廿日市とよく一緒にいる。姫山とは1年から同じクラスだったが、笹井と同様になぜか姫山とは距離を置いていた。
- 森本 蘭 (もりもと らん)
演:菊地姫奈
序列12位。序列13位の茅野と仲が良い。正義感が強く、序列を送った人物に自白を求める。文化祭の演劇では演出を担当し、主役に不安を抱える姫山を熱心に指導していた。
- 甲斐原 誠 (かいはら まこと)
演:忍成修吾
2年D組の担任。「2-D序列」の順位というメールに続き、謎の遺書が出てきたことにより、2年D組にウンザリする。これ以上問題が起きるのを避けるため、一度は遺書のことを揉み消そうとするが、千蔭の『金曜のロングホームルームの時間を遺書公開の場とする代わりに、遺書のことは秘密にする』という提案を飲み、遺書公開を許可する。会の進行については一切関与するつもりはなく、遺書が姫山のものであることを信じていない。序列は9位。
- 姫山 椿 (ひめやま つばき)
演:堀未央奈
序列1位の女子生徒。勉強も運動もできる上に性格も優しい、序列1位にふさわしい人物。姉がいるが、ある事情で離れ離れになる。
多くの人間から慕われており、2年D組は彼女を中心として回っていた。だが、ある日突然、学校のトイレで謎の自殺を遂げてしまう。
彼女の死後、彼女が書いたクラスメイト全員にあてた遺書が教室で見付かる。この遺書により、2年D組の闇が次々と暴かれていく。
- 絹掛 愛未 (きぬかけ あいみ)
演:青島心
1年生から不登校気味で、2年になってからは1度も登校していない。池永からの手紙で姫山の遺書を公開していることを知り、学校に来ることを決意した。
余談
鈴川と髙石はアニメ映画『きみの色』で声優として共演している。
青島と星乃と忍成は『仮面ライダーギーツ』で共演している。