概要
法的根拠や明確な基準は無いが、1968年10月から始まった大蔵(現・財務)大臣の諮問機関である金融制度調査会第1分科会における「普通銀行の諸問題」の審議では、「普通銀行のうち、6大都市またはそれに準ずる都市を本拠として、全国的にまたは数地方に跨る広域的営業基盤を持つ銀行」(※1)と定義されており、以後の行政上の慣例となっている。
都市銀行一覧
最盛期には実に15行(※2)が存在していた都市銀行であるが、金融情勢の変化に伴う合併、あるいは廃業等で2017年時点では4行となっている。このうち、みずほ、三井住友、三菱UFJの3行が「3大メガバンク」と呼ばれる。
現在の行名 | 発足の経緯 |
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みずほ銀行 | 第一銀行、日本勧業銀行が合併して第一勧業銀行となり、後に富士銀行が合併(※3)。 |
三井住友銀行 | 太陽銀行と神戸銀行が合併して太陽神戸銀行となり、次に三井銀行が合併しさくら銀行へ、最後に住友銀行が合併。 |
三菱UFJ銀行 | 先ず三菱銀行と東京銀行が合併し東京三菱銀行へ、次に三和銀行と東海銀行が合併しUFJ銀行へ。最終的に東三銀とUFJ銀が合併し、三菱東京UFJ銀行に。その後、社名を変更。 |
りそな銀行 | 先ず、協和銀行と埼玉銀行が合併してあさひ銀行へ。次に大和銀行が母体となり持株会社りそなホールディングスを設立した。この際、埼玉県内のあさひ銀行店舗は埼玉りそな銀行として分割(※4)され、事実上の旧埼玉銀行復活となった。 |
※1:ゆうちょ銀行は全国47都道府県全てに営業展開されているが、法的には「郵便貯金銀行」という独立した扱いとなっている。
※2:表内に名前が出て来ない北海道拓殖銀行は、北海道内は北洋銀行、道外は中央信託銀行(現・三井住友信託銀行)へ営業譲渡する形で清算されている。都市銀行の流れにおいて唯一の、合併ではなく破綻によって法人格が消滅した銀行となった。
※3:実際にはもう1行、日本興行銀行(長期信用銀行)が加わっている。当初、個人部門を一勧銀へ集約した旧「みずほ銀行」と、法人部門を富士銀へ集約した「みずほコーポレート銀行」が併存し、後に後者が前者を吸収する形で現「みずほ銀行」となっている。
※4:金融庁基準ではりそなを含む都市銀行4行が同庁の直接の監督を受けるのに対し、埼玉りそな銀行は関東財務局の監督を受ける為地方銀行に準じた扱いとされている一方、日本銀行と財務省では都市銀行とみなしているため「5行」とカウントする見方もある。