概要
主人公・かさねの腹違いの妹。19歳。
淵透世に生き写しの美女。
透世の姿とあり方だけを愛する父によって、幼いころに亡くなったことにされ、戸籍も与えられずに家の中に閉じ込められ、父の慰み者にされる人生を送ってきたため、外界のことは何も知らない。
自身の母がその美しさ故に利用されて不幸になり、父が執拗に自分に透世を演じさせようと強要してきたせいで、『美しさ』や『演技』に嫌悪感を抱いでおり、その原因である淵透世を激しく憎んでおり、名前を聞いただけで目の色を変える。
陵辱に耐えかねて殺した父の言葉から、自分の腹違いの姉がいることを知り、自分より幸せな生活をしてるようなら殺してやると心に決めて異母姉のかさねのことを探している。
また先程述べたとおり世間一般の常識が欠けている上に、戸籍も学もない為、娼婦をして収入を得ている。
その後紆余曲折を経てかさねと出会うが、その時のかさねはニナの顔をしていたため、自分の姉とは気づかないまま彼女と親しくなる。
主人公かさねとは正反対の存在で、かさねが「容姿の醜さ故に幸福を得られない」のに対し、野菊は「容姿の美しさ故に不幸な人生を強要される」という真逆の苦しみに喘ぐキャラクターである。現実的には稀な家庭環境ではあるが、美しさが人生の幸福に繋がるとは限らないことを示す例とも言える。