概要
中国の伝承で語られる人を惑わし死に至らしめるとされる化け猫の一種。
文献によっては金華の猫という名前で紹介しているものもある。
中国語ではチンホァーマオもしくはチンホヮーマオ(Jinhua Mao)と呼ぶ。
伝承によれば浙江省金華地方で人家で三年間飼われた猫が妖怪化した存在とされ、その第一段階としてまず、終夜屋上にうずくまって月に向かって口を開けて“月の精(月亮の精華)”を吸い取り、これを繰り返して妖怪・金華猫へと転生する。金華猫になった猫は深山幽谷、或いは仏殿などに入って穴を作り、そこを住処としている間はその穴に潜み、日が暮れると外へと赴き活動を開始する。
変幻自在である金華猫は女性に遭えば美男に、男性に遭えば美女に化身して誑かして魅了するほか、人家へと密かに侵入して水桶の中に小便をする。
この水を知らずに飲んでしまった人物は金華猫の姿が見えなくなり、どんどん衰弱して行き、最終的には病床に伏して起き上がれなくなってしまう。
もし病気の原因が金華猫の仕業ではないのかと思った場合は病人の上に青衣を被せて徹夜で動静を観察しながら明け方を待ち、もし衣に猫の毛が発見されれば、病気の原因は金華猫の仕業だと分かるという。
もし金華猫が原因で病気になったのだと分かれば、金華猫に気付かれない様に密かに猟師を雇って数匹の猟犬と共に家へと来てもらい一斉に放ってもらう。
その理由は金華猫を捕える事が出来るのは猟犬だけだとされている為であり、見事に捕らえた金華猫の皮を剥いで肉を炙ってもらい、雌雄に分けて男性の患者には雌猫を、女性には雄猫を食べさせるとたちどころに症状は改善されるとされる。
ただし、その逆。つまり捕えた金華猫が雄で、患者が男性。捕えた金華猫が雌猫で患者が女性の場合は病気は治ることなく命を落としてしまうという。