あらすじ
帝国航空は業績悪化によって2度にわたり再建計画の下方修正を行うが業績回復の兆しがみられず、時の政権与党「憲民党」がようやく重い腰を上げて「帝国航空経営改善の為の有識者会議」を発足させ同社の再建計画を練っていたが、計画は一向にまとまらずにいた。
帝国航空に対し700億円超えの融資をしている準主力銀行である'''東京中央銀行'''では不良債権融資先の債権管理を審査部が担当していたが、憲民党同様に帝国航空の再建計画がまとまらずにいた。
このまま帝国航空の業績悪化が続くと経営破綻し、債権回収が困難になることを懸念した中野渡頭取は役員会で営業第二部部長の内藤 寛を通じて、過去に伊勢島ホテルの再建実績がある半沢に対し帝国航空修正再建案のフォローをするよう同社の担当に任命する。
審査部は旧Tの旗頭である常務取締役の紀本 平八、その部下で同じく旧Tの審査部次長である曽根崎 雄也が帝国航空を旧T時代より長年担当しており、旧Sの行員が多数を占める営業第二部への担当替えを「梯子外し」と見なし快く思っていなかった。
一方の帝国航空は社長の神谷 巌夫、財務部長の山久 登の両名は利益よりも大義を優先するあまり、今回起きている経営危機に対する危機感が希薄であった。
曽根崎が帝国航空と馴れ合いの関係を続けていたことを知った半沢は毅然とした態度で挑み、このままでは追加融資が出来ないこと、大義よりも利益を優先するべきであることを伝えた上で、地に足のついた抜本的なリストラや赤字航空路線の廃止を含めた経営再建案を掲示し、今後追加融資を受けることが出来ず後がないと認識した帝国航空は渋々ながらも半沢の再建案を受け入れる。
しかし時を同じくして憲民党から進政党への政権交代が起き、新たに国土交通大臣に就任した進政党の白井 亜希子によって帝国航空の再建案は白紙撤回され、諮問機関「帝国航空再生タスクフォース」が立ち上げられる。
タスクフォースのリーダーで腕利きの弁護士でもある乃原 正太は経営再建案として帝国航空に融資している全金融機関に対して一律7割の債権放棄を求める。
銀行にとって不利益でしかなく、経営再建を正しく行うべきだと半沢は要求を拒絶するが、常務である紀本はなぜか受け入れることを前提に行内で話を進めていた。
進政党の重鎮である箕部 啓治代議士からの後ろ盾を得ていた白井は政権交代による進政党のイメージ戦略の為に帝国航空の経営危機を利用しており、乃原は弁護士として名を挙げることを目論んでいた。
それぞれの思惑が飛び交う中、半沢は帝国航空の再建担当として進政党、タスクフォースという巨大な敵と真っ向から対立することとなる。
だが、その裏には東京中央銀行の社会的信頼に関わる驚愕の事実が隠されていた。