概要
講談社より発行されたティーンズレーベル『講談社ミステリーランド』の一巻として2006年5月に刊行された。その後は2013年10月にノベルス、2016年7月に文庫として同じく講談社から刊行されている。
小さな工場町で暮らす少年リンツが、名探偵と怪盗のバトルと、宝にまつわる謎を解き明かすため大冒険を繰り広げるジュブナイル・ミステリー小説である。
あらすじ
工場の煙が空を覆う小さな町で育ったリンツ。父亡き後母と共に貧しく慎ましい生活を送る彼の楽しみは、友達と共に巷を騒がせている『怪盗ゴディバ』と、それを追う『名探偵ロイズ』の攻防戦についての談笑。移民の血を引いていることを蔑まれたり、いじめっ子ドゥバイヨルに目をつけられたりと嫌なことはあるけれど、それなりに悪くはない日々だった。
だがある日、父と最後に出掛けた先で見つけた聖書の中に挟まっていた古い地図を見つけた事で、リンツの運命の歯車が動き出していく───
主な登場人物
キャラクターのネーミングには、実在するチョコレートメーカーやチョコレートを主な材料とするお菓子の名称が使われている。
リンツ
本作の主人公。移民出身の父デメルを肺病で亡くし、薬品工場で働く母メリーと共に貧しい生活を送っている。
ドゥバイヨル
リンツより一学年上のいじめっ子。
没落した高貴な家の子どもといううわさも。
ディーンとデルーカ
リンツのクラスメイトで友達。
デルーカの家はパン屋。
ゴディバ
巷を騒がせている謎の怪盗。成金や戦争の武器を造っている金持ちしかターゲットにしない。
ロイズ
怪盗ゴディバを追っている名探偵。リンツ達のヒーローかつ憧れの的。
ブラウニー
ロイズ探偵事務所の秘書。
ガナッシュ
警察のおじさん。